マンションの永住志向について考える

昨今、「マンションに永住する」と考えている人が増加傾向にあるようです。国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、マンションに「永住するつもりである」が60.4%という結果が発表されています。では実際のところ、マンションの永住志向の良い点はどの様なことなのでしょう。何か問題点があるとすれば、どの様なことなのでしょうか。
今回はメリット・デメリットの両方を探りながら、マンションの永住志向についてみていきます。
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生活環境の安定感VS将来の変化への弱さ

まず「住み慣れた環境でずっと暮らせること」には、安心感があると言えます。日常の生活動線や周辺施設が把握できているため、ストレスなく生活することができます。長い期間住むことで、ご近所さんとのお付き合いなどコミュニティが形成されやすく、孤立しにくい面もメリットです。
ですが一方で、長く住めば住むほど、建物の老朽化と住民の高齢化という「2つの老い」への対応が難しくなっていきます。永住するつもりでも、何らかの事情で住み替えが必要になることが生じるかもしれません。その場合高齢になっていると、いざ買い替えを検討するとしてもローンが組みにくい、また賃貸住宅への入居が難しくなるなど、住み替えのハードルは年齢と共に上がっていく傾向にあります。
つまり安定を得る代わりに、将来の選択肢は狭くなっていくというデメリットが考えられるのです。

利便性の高さVS修繕費の増加リスク

マンションは、駅近など利便性のよい立地に建っていることが多いです。交通アクセスだけでなく、買物・医療など生活関連施設が身近に揃っているため、生活面では都市部の利便性を享受できます。また、マンションの共用部分は管理会社が清掃などの管理業務を担うため、一戸建てより管理の手間が少なく、生活の質が安定しやすくなることはメリットです。
しかし将来的に、建物の定期的な修繕に必要な修繕積立金の不足が生じる可能性もあります。実際に、マンション修繕積立金の不足問題が多く発生していることも否めません。とすれば、修繕積立金の値上げによる負担増が避けられず、それは将来の老後生活の固定費が上がる可能性に直結します。
以上のことから、生活利便性は高いものの、長期的・経済的なコストは読みにくいというデメリットがあると言えるでしょう。


コミュニティの継続 VSトラブルの固定化

マンションに長く住むことにより、住民同士のコミュニティ関係が築きやすくなります。子育てや老後の見守りなど、助け合いが生まれやすくなるのはメリットです。
その一方で、マンションでは居住者間の生活音や生活マナーに関するトラブルもよく発生します。永住志向が高いと住民の入れ替わりが少なく、関係がこじれると逃げ場がなく修復が困難になるケースもあり得ます。
良好な関係が続けば強みになりますが、悪化すると深刻化しやすい側面もあることは、あらかじめ知っておきましょう。

資産としての安心感VS資産価値の下落リスク

住んでいるマンションの売却を検討する場合、都市部のマンションは価格が比較的安定しやすく、立地によっては、売却益を期待できるケースもあります。ですが、築年数が経つごとに資産価値は下落する傾向にあります。さらに建替えとなると住民の合意形成のハードルが高く、結局、老朽化リスクを抱えたままになる……というケースもあります。
マンションの資産価値について「今は良いとしても、将来も同じように良いとは限らない」という点は理解しておくほうがよさそうです。


最後に

マンションの永住志向は、ごく自然な選択肢の1つです。 ただし、「永住=何もしなくていい」のではありません。

1.築年数・修繕履歴・積立金の状況などの建物の状態
2.高齢化の進み具合・管理組合の活力といった住民構成
3.健康・収入・家族構成という自分自身を取り巻く将来像

マンションに末永く、快適に住み続けるためにはバランスを取るためのこれら3つの視点を持つことが大切と言えるでしょう。
株式会社日住サービス

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