不動産取得税はいつ支払う?軽減措置や非課税になるケースも解説

土地や建物を取得すると不動産取得税が課されます。ただし、取得してすぐに請求が来るわけではありません。場合によっては1年以上たってから、納税通知書が届くこともあります。支払期限や税率などの仕組みを事前に知っておくと、不動産取得後の資金計画も立てやすくなり、通知が届いたときにも落ち着いて対応できます。

この記事では、通知書が届く時期や納付期限、税率と計算方法、非課税になるケース、通知書が届かないときの確認方法まで順に解説します。


不動産取得税はいつ支払う?

不動産取得税は、土地や家屋を売買、贈与、交換、建築などによって取得したときに、その不動産が所在する都道府県から課される地方税です。毎年課される固定資産税とは違い、取得した際に一度だけ納めます。取得方法は有償か無償かは問われず、贈与による取得も課税の対象です。

兵庫県・大阪府・京都府では、取得した不動産の所在地を管轄する県税事務所や府税事務所などから納税通知書が送付されます。

納税通知書が届く時期は不動産を取得した時期や所在地などによって異なります。また、中古住宅や新築住宅など、不動産の取得状況によって課税までの流れが異なるため、通知書が届くまでの期間にも差があります。

忘れたころに納税通知書が届くこともあるため、到着時期の目安を知っておけば、家計管理もしやすくなるでしょう。

納税通知書が届く時期

●中古住宅や土地を取得した場合
納税通知書が届く時期は自治体によって異なりますが、取得からおおむね3〜6か月後がひとつの目安です。中古住宅や土地は、すでに固定資産評価額が決まっているため、新築家屋などと比べて早く課税される傾向があります。

●家屋の新築、新築住宅の購入、家屋を増改築した場合
6か月から1年ほどかかるのが一般的です。新築の家屋などは課税台帳に価格が登録されていません。都道府県の職員が家屋調査を行い、固定資産評価基準にもとづいて価格を決める必要があります。このため中古住宅などよりも時間がかかります。

支払いの期限

納付期限は、納税通知書に記載された納期限です。多くの都道府県では、通知書が発送された月の月末など、到着からおおむね1か月以内に設定されており、一括での納付が原則です。

納付方法は金融機関や管轄の税事務所などの窓口のほか、インターネットバンキング、クレジットカード、スマートフォン決済アプリなどに対応する自治体も増えています。
利用できる納付方法は自治体ごとに異なるため、届いた通知書や都道府県のホームページで確認しておきましょう。

支払いを忘れた場合のリスク

納期限を過ぎると、本来の税額に加えて延滞金が発生します。地方税法では延滞金の割合は、納期限の翌日から1か月を経過する日までが年7.3%、以降が年14.6%と定められています。しかし、実際には特例が適用され、割合は毎年見直されます。2026年中は1か月以内が年2.8%、それ以降が年9.1%です。

遅れるほど日割りで積み上がるため、納期限内に納めることが何より大切です。納期限を過ぎても納付しない場合は督促状が送付され、財産の差押えなどの滞納処分に進むこともあります。納期限までの納付が難しい場合は管轄の税事務所などに早めに相談しましょう。

出典:e-Gov法令検索「地方税法 第64条」


不動産取得税の税率と計算方法

不動産取得税の税額は、基本的に「不動産の価格(課税標準額)×税率」という式をもとに計算されます。

ここでいう不動産の価格とは、購入代金や建築工事費のことではなく、市町村の固定資産課税台帳に登録されている固定資産税評価額を指します。家屋を新築した場合のように台帳に価格が登録されていない場合は、固定資産評価基準にもとづく価格が使われます。

売買代金で計算すると実際より高い税額を算出してしまうため、この違いは押さえておきたいポイントです。

出典:総務省「不動産取得税」

不動産取得税の税率

不動産取得税の税率は4%です。ただし、住宅(新築・中古)と土地については特例措置により、2027年3月31日までに取得したものは3%に軽減されています。

注意したいのは、住宅以外の家屋は軽減の対象にはならない点です。店舗や事務所、倉庫などの税率は4%です。同じ建物でも用途によって扱いが変わります。


不動産取得税の計算方法

計算は土地と家屋を分けて行います。宅地や宅地に比準して評価される土地は、2027年3月31日までの取得であれば課税標準が2分の1に縮減される点も、忘れずに計算に反映させてください。

2027年3月31日までに取得した例
土地の評価額:1,400万円
家屋の評価額:1,200万円

土地
1,400万円×1/2=700万円
700万円×3%=21万円

家屋
1,200万円×3%=36万円

合計
21万円+36万円=57万円

ただし、この57万円は軽減措置を適用する前の金額です。次章では、この税額を抑えられる軽減措置を解説します。



不動産取得税の軽減措置

不動産取得税には、住宅と住宅用の土地を対象とした手厚い軽減措置が用意されています。要件を満たせば税額は大きく下がり、一般的な住宅であれば0円になるケースも少なくありません。

ここからは土地、新築住宅、中古住宅、認定長期優良住宅の順に、控除額と要件を整理します。軽減措置の基本的な要件は地方税法にもとづいて定められており、自治体によって大きく異なるものではありません。

ただし、取得時期によって適用される特例や細かな要件が異なる場合があるため、詳しくは不動産の所在地を管轄する税事務所などに確認しましょう。

土地の軽減措置

住宅用の土地を取得した場合、土地にかかる税額から一定額が差し引かれます。課税標準額を減額するのではなく、算出した税額から直接差し引かれる点が特徴です。

税額

減額される額は、次の2つのうち、いずれか多い方です。

●45,000円
●土地1㎡当たりの価格×住宅の床面積の2倍(最高200㎡)×3%

土地1㎡当たりの価格は、宅地評価土地の特例が適用される場合、価格を2分の1に縮減した額を用います。一般的な住宅では、2つ目の式で計算した額が45,000円を上回るケースが多くあります。

要件

減額を受けるには、住宅と土地の取得順序や期間に関する要件のいずれかを満たす必要があります。主なものは次のとおりです。

●土地を取得した日から2年(2031年3月31日までの取得の場合は3年)以内に、その土地に特例適用住宅が新築されたとき
●特例適用住宅を新築した日から1年以内に、その敷地となる土地を取得したとき
●自己の居住用として、土地付きの特例適用住宅(中古)を取得したとき(土地と住宅の取得時期が異なる場合は、土地の取得前、または取得後1年以内に住宅を取得していること)

特例適用住宅とは、後述する床面積などの要件を満たしている住宅のことです。ただし、中古住宅の場合は、別途、居住要件や耐震基準などの要件があります。

新築物件の軽減措置

住宅を新築した場合や新築住宅を購入した場合は、家屋の評価額から一定額が控除されます。控除後の金額に税率を掛けるため、税額が大きく圧縮されます。

税額

控除額は1戸につき1,200万円です。

計算式は「(家屋の評価額-1,200万円)×3%」となります。

家屋の評価額が1,200万円であれば控除後の課税標準は0円となり、課税されません。家屋の評価額が1,500万円の場合は、300万円×3%=9万円です。

要件

軽減措置の対象となる特例適用住宅に該当するには、床面積などの要件を満たす必要があります。

該当する住宅

取得日

住宅床面積

 ※共同住宅等の場合は1戸あたりの床面積

(共用部分を含む)


2026年3月31日以前

50㎡以上240㎡以下

(貸家共同住宅の場合は、1戸当たり40㎡以上240㎡以下)

2026年4月1日以降

40㎡以上240㎡以下

中古物件の軽減措置
中古住宅を取得した場合も、家屋の評価額から控除を受けられます。ただし、控除額は一律ではなく、その住宅が新築された時期によって変わります。

税額

控除額は新築年月日が新しい住宅ほど大きくなります。

●1981年7月1日〜1985年6月30日に新築…420万円
●1985年7月1日〜1989年3月31日に新築…450万円
●1989年4月1日〜1997年3月31日に新築…1,000万円
●1997年4月1日以降に新築…1,200万円

控除後の金額に3%を掛けたものが家屋の税額です。

要件

中古住宅では、床面積に加えて、自己居住用であることと耐震性の要件が加わります。

●取得した方がその住宅を自己の居住用に使うこと
●登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下であること(2026年3月31日までに取得した場合は下限50㎡)
●1982年1月1日以後に新築された住宅、または新耐震基準を満たしていることが耐震基準適合証明書などで証明された住宅であること

別荘は対象外ですが、セカンドハウスは対象になる場合があります。耐震基準を満たさない中古住宅でも、取得後6か月以内に耐震改修を行い、一定の要件を満たせば軽減を受けられます。

認定長期優良住宅を取得した際の軽減措置

耐震性や耐久性などに優れ、長期にわたり良好な状態で使用できるものとして認定を受けた住宅を認定長期優良住宅といいます。この認定を受けた新築住宅では、控除額が上乗せされます。


税額

一般の新築住宅の控除額は1,200万円ですが、認定長期優良住宅は1,300万円です。控除額は100万円多く、税率3%で計算すると、税額が最大3万円軽減されます。

ただし、認定長期優良住宅には、固定資産税の減額期間延長や登録免許税の税率引き下げなど、ほかの税制でも優遇があります。

要件

主な要件は次のとおりです。

●登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下であること
●2031年3月31日までに新築された住宅であること
●新築で未入居の住宅用家屋であること

軽減を受けるには、長期優良住宅認定通知書などの必要書類を添えて、管轄の税事務所などに申告する必要があります。

軽減措置を受けるには申告が必要

ここまでの軽減措置には共通する注意点があります。いずれも自動的に適用されるわけではなく、原則として申告が必要です。手続きをしなければ、軽減前の税額が記載された納税通知書が届く場合があります。

申告期限や必要書類は都道府県によって異なるため、詳しくは不動産の所在地を管轄する税事務所などに早めに確認しましょう。


軽減措置を知らずに納付した場合、還付を受けられることもある

申告を忘れたまま軽減前の税額を納付しても、あきらめる必要はありません。要件を満たしていれば、後から申請して払いすぎた分を取り戻せます。

ただし、還付を受けられる期間には制限があるため、気づいた時点で早めに対応することが大切です。まずは手元の納税通知書を見直し、軽減措置が反映された税額になっているかを確認してみましょう。

手続きの流れと必要書類

手続きとしては、まず管轄の県税事務所などに還付に必要な書類を提出します。審査を経て、指定した口座に還付金が振り込まれるという流れです。

必要な書類は、主に次のとおりです。

●不動産取得税の還付・減額に関する申請書(自治体の様式)
●売買契約書や工事請負契約書の写し
●登記事項証明書
●住民票など居住を確認できる書類
●耐震基準適合証明書など、要件を証明する書類

様式は自治体のホームページからダウンロードできるケースが増えています。ただし、必要書類は、取得した不動産の種類や軽減の内容によって異なります。具体的な手続きや必要書類は管轄の税事務所などに確認しましょう。

請求できる期間

還付を請求できる期間には限りがあります。地方税の還付金を請求する権利は、原則として5年です。これを過ぎると要件を満たしていても還付されません。

とはいえ、起算点や取り扱いには自治体ごとに違いがあります。数年前に納付した分に心当たりがある方は、まず管轄の税事務所に問い合わせてみるとよいでしょう。


不動産取得税が非課税になるケース

ここまでは税額を軽くする軽減措置を解説してきました。これとは別に、法律上そもそも課税されないケースもあります。

軽減措置による「実質0円」と法律上の「非課税」は性質が異なります。前者は計算した結果として税額がゼロになる状態、後者は課税の対象そのものから外れている状態です。ここからは後者にあたる代表的なケースを整理します。

相続で取得した場合

相続によって不動産を取得した場合、不動産取得税は課税されません。被相続人から相続人に対して行われた遺贈や包括遺贈も、同じく非課税として扱われます。ただし、生前贈与による取得は課税の対象です。相続とは扱いが異なるので注意しましょう。

また、2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。正当な理由なく期限内に申請しなかった場合は、10万円以下の過料の対象となります。

軽減措置などによって税額がゼロになる場合

新築住宅の1,200万円控除や住宅用土地の減額を適用した結果、計算上の税額が0円になることがあります。この状態は、法律上の非課税とは区別して考えます。

課税の対象ではあるものの、控除や減額を適用した結果、納める税額がなくなった状態というのが正確な理解です。軽減措置の適用に申告が必要な場合、申告をしなければ軽減が適用されず、税額が残る可能性があります。

課税標準(評価額)が免税点未満の場合

課税標準額が免税点未満の場合は課税されません。免税点とは、課税標準額が一定の金額に満たない場合に、税金が課されない基準額のことです。免税点となる金額は2026年4月1日以降の取得分から引き上げられており、取得時期で基準が変わります。

 

土地

家屋(新築・増改築)

家屋(売買や贈与など)

2026年3月31日までに取得した場合

10万円未満

23万円未満

12万円未満

2026年4月1日以降に取得した場合(現行)

16万円未満

66万円未満

34万円未満


なお、隣接する土地を1年以内に取得した場合などは、それぞれの土地の取得をひとつの土地の取得とみなし、合計額で判定されるため、注意してください。

換地や公共の用に供する道路の場合

換地とは、土地区画整理によって、もともと所有していた土地の代わりに割り当てられる土地のことです。換地によって取得した土地には、原則として不動産取得税はかかりません。

また、公共の用に供する道路とは、特定の人だけではなく、一般の人が通行するために利用する道路のことです。公共の用に供する道路を取得した場合も、不動産取得税はかかりません。自治体が管理する道路だけではなく、私道なども対象になる場合があります。

特定の用途や構造の場合

取得者の種類や不動産の用途などによって、非課税となるケースもあります。代表的なものは法人の合併・分割による取得、宗教法人や学校法人、社会福祉法人などが一定の用途に供する不動産の取得です。



不動産取得税の納税通知書が届かないときに確認すること

取得から1年以上たっても納税通知書が届かないことがあります。理由は大きく分けて2つです。税額が0円で通知そのものが発送されていない正常なケースと、手続き上の行き違いで届いていないケースです。

以下の点を確認し、どちらに該当するのかを把握しましょう。

非課税になっていないか

前章で解説した軽減措置の要件を満たし、計算の結果、税額が0円になった場合、納税通知書を送付しない自治体が多くあります。免税点未満で課税されない場合も同様です。納めるべき税金がないことが理由で納税通知書が届かないため、とくに手続きは必要ありません。

不動産を取得した旨の申告が完了しているか

都道府県が不動産取得税の課税手続きを進めるには、不動産を取得した事実を把握する必要があります。登記済みの不動産であれば、法務局から都道府県に登記情報が提供されますが、登記をしていない場合や、必要な申告書の提出が漏れている場合は、課税手続きが遅れることがあります。

とくに、家屋を新築した場合は、登記や申告の時期によって家屋調査が遅れ、納税通知書が届くまでに時間がかかることがあります。申告漏れなどに心当たりがある場合は、管轄の税事務所などに問い合わせてみましょう。

住所変更や転送設定を済ませているか

注意したいのが、送付先の情報が古いままになっているケースです。納税通知書は、登記情報などをもとに送付されるため、住所が変わっていると旧住所に届くことがあります。

郵便局の転送サービスの期間は届出日から原則1年間です。不動産取得税は取得から納税通知書が届くまでに時間がかかることもあるため、転送期間を過ぎてから発送され、旧住所から返送されてしまうケースもあります。

住所が変わった場合は、都道府県の税事務所へ送付先変更の届出を行っておくと安心です。窓口や郵送のほか、インターネットからの申請を受け付けている自治体もあります。


まとめ

不動産取得税は、取得からおよそ3〜6か月後、新築の場合は1年ほどたってから納税通知書が届くことがあります。税額は固定資産税評価額に税率を掛けて算出され、住宅や住宅用土地には軽減措置が設けられています。軽減措置を受けるために申告が必要な場合もあるため、要件や手続き方法を確認しておくことが大切です。
通知書がいつ届くのか、軽減措置の要件を満たしているのか、申告が必要な場合はいつまでに手続きすればよいのかなど、確認すべき点は少なくありません。しかし、制度を正しく理解し、必要な手続きを漏れなく行うことで、請求や支払いの不安を減らし、不動産取得後の資金計画も立てやすくなります。 
とはいえ、わかりにくいことがあるかもしれません。日住サービスでは、兵庫・大阪・京都を中心に不動産の売買を長年サポートしてまいりました。取得後の税金や手続きについてご不明な点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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