不動産売却にかかる諸費用を紹介!目安や計算方法は?

不動産売却とは、自分が所有する住宅や土地を売ることです。売却の目的は、新しい家の頭金にしたり、借金の返済に充てたりとさまざまですが、諸費用がかかることも忘れてはいけません。この諸費用を正しく理解していないと、想定していた利益を得られなくなる可能性があります。

この記事では、不動産売却を検討中の方に向けて、必要な諸費用を分かりやすく解説します。費用の目安や計算方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

不動産売却にかかる諸費用

不動産売却にかかる諸経費として挙げられるのは、主に以下のものです。


●仲介手数料
●印紙代
●抵当権抹消費用
●住宅ローン関連の費用
●引越し費用
●譲渡所得税
●確定申告

それぞれの費用の概要や目安、具体的な金額を算出する際に役立つ計算方法もまとめて紹介します。順番にチェックしていきましょう。

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社を介して買い手を見つけ、契約が成立した際に不動産会社に対して支払う費用です。
成功報酬のため、契約期間中に物件の売却が成立しなければ支払う必要はありません。

仲介手数料は、不動産の売却価格によって異なります。算出するための計算方法は、以下のとおりです。

売却価格(税抜)

計算式

200万円以下

(売却価格(税抜)×5%)+消費税10%

200万円超~400万円以

(売却価格(税抜)×4%+2万円)+消費税10%

400万円超

(売却価格(税抜)×6%+6万円)+消費税10%


※2024年7月1日から800万円以下の低廉(金額が低いこと)な空家であれば、売主・買主から最大33万円ずつ報酬をもらうことが可能です。
たとえば、所有していた住宅を2,000万円で売却した場合の計算式は以下のようになります。

2,000万円×3%+6万円+6.6万円=72.6万円


印紙代

印紙代とは、課税文書に対して課される税金のことです。印紙税とも呼ばれ、契約金額によって費用の目安は異なりますが、不動産の場合は1,000円〜6万円程度です。

なお、売却価格が1万円以下の場合は、印紙代が発生しないケースもあります。また、PDFファイルやメールの電子データで取引するときも、文書の作成に該当しないため、印紙税は必要ありません。

印紙代の注意点として、収入印紙の貼り忘れや消印の押し忘れが挙げられます。売買契約書や領収書に収入印紙を貼り、かつ印鑑または署名にて消印を押さなければ、納税したとみなされません。

万が一、収入印紙の貼り忘れや消印の押し忘れが発覚すると、過怠税を徴収される可能性があります。

抵当権抹消費用

抵当権抹消費用とは、その名のとおり抵当権を抹消するためにかかるお金のことです。抵当権を抹消する理由としては、住宅ローンの存在が挙げられます。

住宅ローンを組むにあたって、住宅ローンを提供している金融機関が抵当権を設定しなければなりません。しかし、抵当権が抹消されていないと、新しく抵当権を設定できないため、住宅ローンを組めなくなります。

住宅ローンが組めないと、不動産売却がスムーズに進まなくなる可能性があるため、手続きをして抵当権を抹消しなければなりません。

抵当権を抹消するためにかかる費用は不動産1個につき1,000円で、不動産20個以上の場合は申請件数1件につき2万円かかります。なお、抵当権を抹消するためには、住宅ローンを完済していることが条件です。

住宅ローン関連の費用

住宅ローン返済中の場合、住宅ローン関連の費用も支払わなければなりません。代表的なものとして、住宅ローンを一括返済する際にかかる事務手数料が挙げられます。

手数料は利用している金融機関によって異なりますが、1〜3万円程度が相場です。なお、オンラインで手続きをすると、手数料が無料になるケースもあります。

引越し費用

自宅を売却した場合、引越し費用もかかる点に注意が必要です。どの程度費用がかかるかは、規模と引越しの時期によって変わります。

引越し費用を安く抑えたい場合は1月と6月、それから10月がおすすめです。この時期は引越しの需要が低いため、業者も比較的安価で引越し作業を請け負ってくれます。

一方で、3月から4月にかけての時期はあまりおすすめできません。この時期は新年度を迎え、社会人から学生まで転勤や引越しをする方が増えます。引越し費用が高騰するのはもちろん、そもそも業者自体が見つからないこともあるため、可能であれば避けてください。

また、引越しの曜日によっても費用は変動します。柔軟にスケジューリングができる場合は、引越しの需要が高まる土日祝日よりも平日に引越しの予定を入れましょう。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却した際に取得した利益に対してかかる税金です。そのため、利益が出なかった場合は支払う必要はありません。

譲渡所得税の計算をするにあたって、まず以下の計算式で譲渡所得を算出します。

譲渡所得=不動産の売却価格 - 取得費用(その不動産を入手したときの費用)- 譲渡費用

最後に、算出した譲渡所得に決められた税率をかけることで、譲渡所得税がわかります。なお、税率は売却した不動産の所有期間によって変動する点に注意してください。

所有期間5年以下の場合は39.63%、所有期間5年を超える場合は20.315%です。

確定申告

譲渡所得によって利益が出た場合は、確定申告が必要です。確定申告の期限は通常3月15日ですが、土日祝日の場合は期限が変わる点に注意してください。

たとえば、2025年分の確定申告の場合、本来の締め切りは2026年3月15日ですが、この日は日曜日のため2026年3月16日が2025年分の確定申告の締め切りに設定されていました。

なお、確定申告をする際に、3,000万円特別所得控除をはじめとする特例を適用すると、納税額を抑えることが可能です。ただし、それぞれの特例には適用条件が設けられており、なかには併用できないものもあるため、事前に条件や併用の可不可について調べておきましょう。

その他に発生する費用

不動産を売却する際、必要に応じて発生する費用も存在します。それぞれの費用の詳細は、以下のとおりです。


家財の処分費用

不動産を買い手に引き渡す際は、家のなかを空にするのが基本です。もし不要な家財道具がある場合は、あらかじめ処分しておく必要があります。

不要な家財道具の処分方法はさまざまですが、そのなかでも確実なのは自治体に依頼して回収してもらう方法でしょう。ただし、回収してもらえる家財道具の数に制限が設けられているケースも多いため、処分対象の家財道具が多い場合にはあまり向きません。

大量の家財道具を処分するときは、専門業者を頼るのもよいでしょう。自治体では回収できないタイプの家財道具も任せられますが、自治体に依頼するよりも処分費用が高くついてしまうのが欠点です。

また、相場価格以上の金額を提示する悪徳業者も少なくないため、依頼先は慎重に選定してください。

ハウスクリーニング費用

所有している不動産を売却するにあたって、ハウスクリーニングを行う方も多いです。

必須ではありませんが、丁寧に手入れされた不動産の方が買い手がつきやすくなるほか、値引き交渉の要因を減らせるため売却価格を維持しやすくなります。予算に余裕がある場合は、積極的に行った方がよいでしょう。

ハウスクリーニングの費用相場は、手入れをする場所によって異なります。たとえば、浴室なら15,000〜2万円が相場で、洗面所なら9,000〜12,000円が相場です。

なお、ハウスクリーニングをする場合は、複数の業者に依頼して相見積もりを実施するのをおすすめします。相見積もりによって適正価格を把握できるようになり、不正な取引を防ぐことが可能です。

測量費用

測量とは、土地の大きさや形状、隣接地との境界線を明確にするための作業です。不動産売買において必須の作業ではありませんが、境界に関するトラブルの発生の防止や登記された面積と実際の面積に差異がないか確認するために行うケースもあります。

測量にかかる費用は市や国の立ち会いが必要か否かによって変動し、幅も30〜100万円までかなり大きいです。
なお、測量を実施する際は、スケジュール管理に注意してください。

とくに隣地が多い土地や、複雑な形をしている土地の場合は時間がかかりやすいです。目安として、1か月半〜3か月以上かかると考えておきましょう。

解体費用

既存の建物を解体し、更地にしてから売却するときは、解体費用がかかります。一戸建ての不動産を売却する場合、更地にした方が資産価値が高まるケースも少なくありません。ただし、解体によって余計な費用がかかり、利益が減少する可能性もあるため、既存の建物を解体するか否かは慎重に決定しましょう。

解体にかかる費用は、建物構造や建物の大きさによって異なります。たとえば、木造の場合は1坪あたり4万円〜7万円、鉄筋コンクリートの場合は1坪あたり6万円〜12万円が相場です。

また、以下のような条件がそろっていると、解体にかかる費用が高騰しやすくなります。

●敷地内に重機が入らない
●スクールゾーンが近くにあり、ガードマンを多く配置する必要がある
●道路と敷地の高低差が大きい等

最終的にどの程度費用がかかるかは現場次第のため、必ず解体工事を依頼する前に現地をチェックしてもらいましょう。

関連書類の発行費用

場合によっては、以下のような関連書類の発行費用も必要です。

●境界確認書
●固定資産税評価書
●住民票

費用相場は、書類によって異なります。また、提出を求められたときに慌てないために、どの書類が必要になるかあらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

不動産売却には、仲介手数料や印紙代、抵当権抹消費用など、さまざまな諸費用が発生します。さらに、住宅ローンの一括返済手数料や引越し費用、譲渡所得税など、売却後に必要な費用も考慮する必要があります。

また、家財処分費用やハウスクリーニング費用、測量費用など、状況によっては追加の費用が発生することもあります。売却時の費用を正しく把握し、計画的に準備を進めることで、スムーズな取引を実現しましょう。

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