「繰り上げ返済するお金があったら、NISAで運用する」が新常識に?

日銀の利上げを受け、大手銀行の住宅ローン金利は上昇しています。住宅購入者の8割近くが選ぶ変動型の住宅ローン金利は、2026年6月1日時点で、大手5行(※)平均の最優遇金利は1.055%。一方、少額投資非課税制度(NISA)の株式運用等なら年3%以上で回すことも可能に。このため最近は、住宅ローンは上限額まで使い、頭金に充当予定だった資金を投資に回すケースが増えているようです。また、余剰資金ができたら繰り上げ返済に充てるというかつての「セオリー」も、若い世代を中心に「繰り上げ返済するお金があったら、NISAで運用」に押され気味。
ではホントのところ、手持ち資金を「頭金に厚く振り向けたり繰り上げ返済したりする」のと「NISAなどで運用する」のとでは、将来的にどちらがお得なのでしょう? 
※大手5行とは、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・三井住友信託銀行・りそな銀行です。
最新金利については、5月31日の日経新聞より。 

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住宅ローン優先のメリットとデメリット

頭金を入れたり繰り上げ返済したりする、最大のメリット。それは、ローンの借入総額が減ることで、毎月の返済額と利息の総支払額を抑えられるという点です。また、返済期間を短縮でき、早期完済がしやすくなり、長期的なライフイベントへの負担を減らせます。
一方のデメリットは、手元の資金が減ってしまうという点。繰り上げ返済をしてしまうと、当然ながらそのお金を取り戻すことはできません。繰り上げ返済をした後で、教育資金が足りない、転職して収入が減った等の状況に陥った場合、たちまち家計は厳しくなってしまいます。
繰り上げ返済は、金利上昇が心配でローン残高をできるだけ早く減らしたい、退職までに完済したい40代・50代の人に向いていると言えるのかもしれません。


資金運用を優先した場合

一方、長期的な資産形成を目指す20代・30代の人には、NISAなどによる資金運用が選択肢に入りやすいでしょう。
上昇しつつあるとはいえ、まだまだ住宅ローン金利は低水準。時間を味方にした長期運用は、繰り上げ返済よりも大きなリターンが期待できます。また、頭金や繰り上げ返済は手元から資金がなくなってしまいますが、資産運用は手元に資金が残せるため、子どもの進学や介護など将来に備えることができます。
ただしメリットの裏返しで、資産運用の結果次第で、期待した収益が得られないばかりか資産が目減りするリスクがあるということも忘れずに。 


両方をバランスよく活用するのも「アリ」

住宅ローンの繰り上げ返済と投資は、どちらも「家計にとって有益な手段」です。
このため、余剰資金200万円のうち、100万円は繰り上げ返済(→安心確保)して、100万円はNISAで投資(→資産形成)するなど、両方をバランスよく活用する戦略も選択肢になると言えるでしょう。
もちろん両者ともに、今まで見てきたようなメリット・デメリットが伴うことは理解しておくことが肝要です。 


最後に

住宅ローン金利の先行きが不透明でありつつ、投資環境も魅力的という、まさに“選択に迷う時代”。
将来の安心を重視するなら繰り上げ返済、資産を育てたいなら投資、バランスをとるなら両立戦略。どの選択肢にもメリット・デメリットがあり、どれが「正解」とは一概に言えません。住宅購入のタイミングでまずはライフプランを見直し、“どちらが得か”よりも“どちらが自分に合っているか”を見極めて選ぶことが重要なのではないでしょうか。 
株式会社日住サービス

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