プロパティマネジメントとは?PM型と一体型管理の違いや業務内容を解説

賃貸物件の管理会社を選ぶ際「プロパティマネジメント」という言葉を目にする機会が増えています。

管理会社のサービス内容を比べるなかで「これまでの管理方法とどのように違うのか?」「自分の物件にはどちらが合っているんだろう?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、プロパティマネジメントの意味や役割、PM型と一体型の管理会社の違い、具体的な業務内容について詳しく解説します。

賃貸経営を支える大切なパートナー選びの参考にしてください。


プロパティマネジメント(PM)とは

プロパティマネジメント(PM)とは、不動産オーナーの「代理人」として、物件の運営管理を行い、収益を最大に引き出しながら、資産としての価値を高めていく業務のことです。

単に「建物を維持する」だけではなく、オーナーに代わり不動産経営そのものを行う「経営代行」としての役割を担います。

この考え方のベースとなるものは、不動産投資における「所有と経営の切り離し」です。オーナーは物件を所有しつつ、日々の細かな判断や実務をプロに任せることで、本業に専念しながら、専門的なノウハウを活かした資産運用ができるようになります。

プロパティマネジメントの大きな目的は、賃料などの収入を最大化し、管理にかかるコストを適正に抑えることで、物件の資産価値をより高めることにあります。

そのため、空室を減らす工夫や、良い入居者を見つけるための活動、適切な修繕プランの作成など、多岐にわたる業務を戦略的に進めていきます。

もともとはアメリカの商業ビルで発展した手法ですが、近年では日本の賃貸住宅でも、その重要性に注目が集まっています。

実際の業務は「プロパティマネージャー」と呼ばれる専門スタッフが担当し、常にオーナーの利益を最優先に考えた運営を行います。


賃貸管理会社には2種類ある丨PM型か一体型か

賃貸管理会社は、大きく分けて次の2種類に分類できます。

●PM型:自社で仲介店舗を持たず、プロパティマネジメントに特化した管理会社
●一体型:自社で仲介店舗を持ち、管理業務から入居者募集までを行う会社

どちらも似たような仕事をしているように見えますが、実は「誰の立場に重きを置くか」や「どうやって入居者を集めるか」といった点に違いがあります。

それぞれの特徴を知ることで、ご自身の経営方針に合ったパートナーを選びやすくなります。

立ち位置の違い

PM型と一体型の最も大きな違いは、業務を行う際の「立ち位置」です。この違いが、最終的な利益に影響を与えることがあります。

PM型の立ち位置

PM型の管理会社は、何よりも「オーナーの利益を最大化すること」を目的としています。

自社で仲介店舗を持たないため、入居希望者と直接お話する機会はほとんどありません。だからこそ、賃料などの交渉があっても、完全にオーナー側の立場で冷静に判断を下せます。

賃料設定や「どこを直すべきか」という提案も、オーナーの収支を最優先に考えたものになります。もちろん、入居者に長く住んでもらうことがオーナーの利益につながるため、バランスを考えながら最適な提案を行います。

また、自社店舗の売上を気にする必要がないため、特定の店舗にこだわらず、エリア内の多くの仲介店舗へ幅広く募集を依頼できるのも大きな強みです。

一体型の立ち位置
一体型の管理会社は、オーナーと入居者の「双方」に寄り添った業務を行います。

自社で仲介店舗を持っているため、街中での知名度が高く、実店舗そのものが物件をアピールする、看板のような役割を果たしてくれます。

入居希望者と直接やりとりするため「今、どんなお部屋が求められているのか」という現場のニーズを肌で感じ取れる点が強みです。

地域に密着した営業活動により、そのエリアの特性を深く理解した提案が可能になります。

ただし、店舗を維持するコストがかかるため、どうしても自社店舗での成約を優先したくなる傾向があり、募集の窓口が自社周辺に限定されてしまう可能性があります。

近年では一体型であってもPMの視点を取り入れ、オーナーの利益を重視する会社も増えており、集客力と戦略性を両立させたサービスも多く見られるようになっています。

募集方法の違い

入居者をどう集めるかという点でもPM型と一体型ではアプローチが異なります。

PM型の募集方法

PM型の管理会社は、自社で仲介店舗を持たないため、物件周辺にあるすべての仲介会社へ募集を依頼します。多くの仲介会社を管理(マネジメント)して入居希望者を探すスタイルです。

ひとつの物件を多くの店舗が紹介してくれるようになるため、それだけ多くの入居希望者の目に触れるチャンスが増えます。募集窓口が広がることで、より早く、納得のいく賃料で入居者が決まりやすくなります。

また、各仲介会社の担当者から「最近の相場はどうですか?」とこまめに聞き取りを行い、その情報をもとに「今、この賃料で出しましょう」といった戦略を練ることで、オーナーの利益を守ります。

一体型の募集方法

一体型の管理会社は、自社の仲介店舗を中心に入居者募集を行います。実店舗があることで地域の方に知られやすく安心感を与えられるのがメリットです。

店舗に来たお客さまに直接物件の魅力を伝えられるため、エリアの強みを活かしたスピーディーな案内が可能です。

一方で、自社店舗での成約を優先しすぎるあまり、他社に情報を出さずに物件を抱え込んでしまうケースもゼロではありません。

しかし近年では、自社店舗の強みを活かしつつ、他社とも広く連携して「早く決めること」を重視する一体型管理会社も増えています。ネットワークを広げることで、より効率的な集客を実現している会社もあります。



プロパティマネジメントの重要性が高まっている背景

今の日本では、人口の減少や賃貸物件の数が増えすぎていることから、空室が目立つようになってきました。


総務省の統計によれば、日本の人口は2008年をピークに減少しており、賃貸物件の需要も減少していくことが予測されています。

一方で、賃貸物件の総数は急には減らないため、需要と供給のバランスが崩れ「ただ建てておけば入居者が決まる」という時代ではなくなってしまいました。

こうした厳しい環境下では「決まらないから賃料を下げる」といった単純な対策だけでは経営が立ち行きません。

市場に合った賃料の設定、物件の魅力づくり、効果的なアピール方法など、プロの知恵を使った総合的なアプローチが必要です。

また、不動産投資の世界が広がるにつれ「どれだけ安定して稼げるか」という運営の腕を重視するオーナーや投資家が増えています。
こうした背景から、不動産経営のプロである「プロパティマネジメント」の重要性が高まっています。オーナーが大切な時間を自分の仕事や生活に使いつつ、プロのノウハウで着実に資産を守り育てられる点が、多くの方に選ばれている理由です。


プロパティマネジメントの主な業務内容

プロパティマネジメントの業務は、入居者対応などのソフト面(運営)から、建物のメンテナンスといったハード面(管理)まで多岐にわたります。

ここでは、主要な業務をいくつか見ていきましょう。

リーシングマネジメント業務

 
リーシングマネジメントとは「どうやって入居者を見つけるか」という作戦を立て、実行する業務です。

空室が発生した際「いつまでに・いくらの賃料で募集するか」という戦略を立て、周辺の仲介会社に募集を依頼します。

単に情報を出すだけでなく、現場の担当者から「最近のお客さまはどんな設備を求めていますか?」といった生の声をしっかり集めます。こうした情報を分析して、オーナーの利益がいちばん大きくなるポイントを探り当てます。

また、必要に応じて物件の魅力を高めるためのリフォームや新しい設備の導入なども提案します。「いくら投資すれば、どれくらい賃料を上げられるか」を慎重に計算し、効果の高いプランをお伝えします。

テナント管理業務

テナント管理業務は、入居者(テナント)との日々のやり取りを担当する業務です。

契約の手続きから、入居中の困りごとへの対応、契約更新、そして退去手続きまで、入居者の暮らしをトータルで支えます。

お部屋のトラブルなどに素早く対応することで、入居者の満足度を高め「長く住み続けたい」と思ってもらえるような環境を作ります。これが、結果として空室のリスクを減らし、安定した収入につながります。

また、賃料の集金や万が一、支払いが遅れた際の連絡も大切な仕事です。保証会社としっかり連携し、オーナーが金銭的なリスクを背負わずに済むよう動きます。

建物管理業務

建物管理業務は、建物を物理的に良い状態に保つための仕事です。

適切な管理業者を選び、日々の見回りや定期的な点検、掃除などがきちんと行われているかを厳しくチェックします。

とくに、掃除が行き届いているかどうかは、入居者だけでなく、物件を見学に来た方の印象も左右する大事なポイントです。

また、早め早めにメンテナンスを行うことで、建物の劣化を防ぎ、将来的な資産価値を維持します。

財務管理業務

賃料・共益費の請求や入金の確認、管理にかかる費用の支払い手続きなど、お金の動きをすべて管理し、毎月の収支をまとめてオーナーに報告します。

「今、いくら入って、いくら出ているのか」を正確にグラフや表で見せることで、経営の状態を分かりやすくします。これにより、オーナーはデータにもとづいた経営判断ができるようになります。

また、税金や法律に関わる基本的なサポートも行います。専門的な内容については、税理士や弁護士と協力しながら対応します。

コンストラクションマネジメント業務

将来的な大規模修繕や、リフォームなどの工事を計画し、進める業務です。建物の診断を行い「いつ・どこを直すべきか」という長期的なプランを立てます。

適切なタイミングで工事を行うことで、建物の価値を長く保ちます。工事の際も、オーナーに代わって業者からの提案を吟味し、最適なプランを提示します。

工事中もきちんと作業が進んでいるかを見守り、工事完了後はその記録をしっかり残して、次のメンテナンスに役立てます。

報告・提案業務

オーナーに対して、物件の今の様子を定期的にお伝えします。入居状況や収支状況、メンテナンスの実施状況などを分かりやすくまとめ、経営の「今」を見える化します。

また、周りの物件状況や、市場の動きを分析し「賃料を少し見直しましょう」「こんな設備を入れると人気が出ますよ」といった、一歩先を行くアドバイスも行います。オーナーのパートナーとして、共に経営を考える重要な役割です。


プロパティマネジメントとよく比較される職種丨BM・FM・AMの違い

不動産業界には、プロパティマネジメント(PM)と似た名称の職種がいくつか存在します。それぞれの違いを知ることで、PMが何をしているのかが明確になります。

プロパティマネジメント(PM)とビルマネジメント(BM)の違い
ビルマネジメント(BM)は、建物の「物理的な維持」を専門にする仕事です。

設備の点検や清掃作業、警備業務など、建物が毎日スムーズに、安全に動くための実務を担います。

PMとBMの大きな違いは、その「目的と視点」にあります。

BMの目的は「建物を壊さない、汚さない、安全に保つ」ことです。

一方でPMの目的は「収益を増やし、資産の価値を高める」ことです。経営的な視点から、建物管理も含めたすべてをコントロールします。
立場としては、PMがBM業者を選んだり、仕事ぶりを監督したりする側になります。「今の管理費用は高すぎないか?」「掃除の回数はこれで十分か?」とチェックし、必要ならやり方を変えることもあります。

BMが「現場を守る部隊」であるのに対し、PMは「全体を率いる監督」というイメージです。

プロパティマネジメント(PM)とファシリティマネジメント(FM)の違い

ファシリティマネジメント(FM)は、企業が持っている施設や設備を「経営を助ける道具」として最も良い状態に整える仕事です。


PMが「大家の立場で利益を出す」ことを目的とするのに対し、FMは「その建物を使う企業の立場で、仕事がしやすくなるようにする」ことを目的とします。
たとえば、自社ビルの場合、PMはそのビルを高く貸したり売ったりすることを考えますが、FMはそのビルで働く方がもっと効率よく働けるようにしたり、電気代などのコストを削ったりすることを重視します。

誰のために、何をゴールにするかが異なるのが特徴です。

出典:公益財団法人 日本ファシリティマネジメント協会「ファシリティマネジメント(FM)とは」

プロパティマネジメント(PM)とアセットマネジメント(AM)の違い

アセットマネジメント(AM)は、不動産だけでなく、いろいろな資産を組み合わせて「投資全体でどう利益を出すか」を考える仕事です。

PMとAMの違いは、見ている「範囲の広さ」にあります。

AMは「持っている資産すべて」を対象に、いつ売り、いつ買うかという投資の戦略を立てます。一方、PMは「目の前の一軒一軒の物件」をどう運営するかという実務を担当します。

一般的な不動産投資では、AMが全体の戦略を決め、その作戦を実行するための具体的な物件管理をPMに任せる、という協力関係になっています。

AMとPMがうまく連携することで、大きな視点と細かな実務の両方から資産を守ることができるのです。


まとめ

プロパティマネジメントは、オーナーの代理人として不動産の収益と資産価値を最大限に高める「経営のパートナー」です。

単なる物件管理ではなく、戦略を持って運営することで、オーナーの大切な利益を守ります。

管理会社には、広い募集網を持つ「PM型」と、地域での知名度に強い「一体型」があり、それぞれに良さがあります。

人口が減り、空室対策が難しくなっている今の時代、安定した収益を上げ続けるには、専門的なノウハウを持つパートナーの存在が欠かせません。

日住サービスは、1976年の創業以来、数多くの管理実績を積み重ねるなかで、多数の協力業者との強固な連携体制を築いてきました。

法律や税金など、自分ひとりでは判断が難しい場面でも、常にオーナーさまの立場に立ってお手伝いいたします。

物件管理に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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