「レジリエンス住宅」で被災後いち早く日常生活へ

近年、自然災害の深刻化・頻発化の傾向が高まっています。豪雨や地震などの自然災害による被害が増えるなか、注目されているのが「レジリエンス住宅」。レジリエンスとは「強靭さ」「回復力」を示し、「レジリエンス住宅」は、災害発生時の安全を守り、被災した場合にはいち早く日常生活を取り戻すことができる住まいを言います。
今回は、災害時だけでなく災害が過ぎ去った後、つまり事後に真価を発揮する「レジリエンス住宅」について紹介します。

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災害発生時に安全を守る「耐震性」「耐火性」

耐震・耐火構造は、レジリエンス住宅の基本。
現在、住宅の建築には、震度6~7程度の地震で倒壊しない耐震基準が設けられています。地震に備える建築構造には耐震・免震・制震の3つがあります。
耐火性能では建築基準法で定める耐火構造・準耐火構造・防火構造のほか、住宅金融支援機構が独自に定めた基準を満たす「省令準耐火構造」があります。

耐震性や耐火性の高い住宅はその分、被害を抑えることが期待できます。


災害発生後の生活を守る「省エネ住宅の設備」

住まいは、災害時のみならず、災害発生後の生活をいかに守るか、その対応も求められます。

ライフラインが復旧するまでの「つなぎ」として頼りになるのが、省エネ住宅の設備です。
電力供給が途絶しても、太陽光発電や蓄電設備があれば電力を賄うことができます。また、V2H(ビークル・トゥー・ホーム)があれば電気自動車を住宅の蓄電池にすることができます。電気自動車のバッテリーは家庭用の定置型蓄電池より容量が大きいため、一般家庭の3日分の電力が供給できるとされています。
断水になった場合は、給湯システムのエコキュートがあれば貯湯タンクの水をトイレに使ったり食器を洗ったりなど生活用水として利用することができます。一般的に、4人家族で3日分が賄えるとされています。


「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」と「在宅避難」

これまで見てきたような設備を備えた「ZEH基準の省エネ住宅」はまさにレジリエンス住宅の代表格。
災害時や災害後に日常生活を継続する基本的な機能を備えているため「在宅避難」も選択肢になり得ます。倒壊や浸水等の危険がないなど自宅の安全性が確保されているのであれば負担の大きい避難所生活を避け、自宅に留まり避難生活を送ることができます。


自宅のレジリエンス度をチェック!

住まいのレジリエンスは、住宅設備そのものだけがポイントではありません。

食品や日用品などを保管する「避難用備蓄庫」や雨水タンクを設置するなどの対策をしておくだけでも住まいのレジリエンスを高めることができます。日ごろから避難生活を意識してさまざまな面で備えることも大事なポイントです。

自宅のレジリエンス度が気になる方は、一般社団法人日本サステナブル建築協会(JSBC)の「CASBEE-レジリエンス住宅チェックリスト」でチェックしてみてはいかがでしょう。


最後に

自然災害そのものは避けられないけれど実際に被災しても日常生活が続けられるのならそれだけ不安は軽減。これから新居を購入される方はいざという時に備えて「レジリエンス住宅」という選択はいかがでしょう?
そして転居や建て替えの予定のない方は今の住まいにレジリエンス度をより高める工夫を採り入れてみてはいかがでしょう?
株式会社日住サービス

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