「自然災害に強い家・弱い家」は立地次第?


2024年元日。まだ記憶に新しい能登半島地震。木造の古い家屋だけでなく、鉄筋コンクリートのビルが倒壊している様子に息を飲みました。同年の夏は、豪雨を伴った台風が何日も日本に居座り、各地で土砂崩れ・浸水・竜巻が起こり、大きな被害を及ぼしました。

自然災害は、いつ起こるかわかりません。でも、起こる可能性や被害を小さくできる「場所」は予測できます。これから家を建てたり、買ったりする場合は、「場所」にこだわってみてはいかがでしょうか? 今回は、いわゆる「自然災害に強い立地」について考えてみます。


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能登半島地震の被害を大きくした「軟弱地盤」



あるテレビ番組で、軟弱地盤と固い地盤の特性の違いについて、「プリンとようかん」を使った実験で紹介されていました。プリンとようかんを同じ皿の上に置き、下から揺れを与えた場合、固いようかんはほとんど揺れが起きず、上に置いたお菓子にも変化無し。一方、プリンはそのやわらかさから揺れが増幅され、上に置いたお菓子も傾いてしまいました。

この実験からわかること。それは、地盤が「プリン」状だと、いくら耐震性の高い家を建てても、その効果を十分に発揮することはできないということです。

したがって、地震災害の影響を最小限に留めるためには、できるだけ強固な地盤の上に家を建てることが必要なのです。



地盤の強さは「地震ハザードステーション」でチェック


2024年元日に起きた能登半島地震において、被害の大きかった輪島市中心部には軟弱地盤が広がっていたことが明らかになっています。軟弱地盤は、揺れを2倍、2.5倍に増幅させるとのこと。実際の地震の際、輪島では耐震性に配慮した杭基礎のビルまでもが転倒しています。

地盤の強さに関しては、国の研究機関「防災科学技術研究所」が公開している「地震ハザードステーション」でチェックできます。その地図には、全国の表層地盤による揺れの増幅率が示されています。
軟弱地盤が確認されるのは、南海トラフ巨大地震で被害が懸念されている九州、四国、それに大阪や名古屋、そして首都直下地震が警戒される東京など関東。さらには、東北や北海道にも。一般的に地盤が軟弱とされる大きな河川の流域である平野部では、マップ上でもそのリスクが明らかとなっています。
※防災科学技術研究所「J-SHIS MAP」は、


自然災害のリスクは「ハザードマップ」でチェック


台風や豪雨など自然災害の影響も、「場所」を選ぶことで軽減が期待できます。

川の近くや低い土地に建っている建物は、台風や豪雨によって床下・床上浸水しやすくなります。一方、急な傾斜地の近くに家を建てれば、土砂災害のリスクが、起伏が小さい広大な平地なら、竜巻の被害に遭う可能性が考えられます。

したがって大事だと思われるのは、まず現地見学で、周辺の土地と比べて低くないか、雨の日に土地や周辺道路に水が溜まっていないか、がけに面していないかを、自分の目で確認すること。そして現地の属する役所などで、土砂災害(特別)警戒区域等でないか、造成は切土か盛り土か、埋立地かなど調べた上で、ハザードマップで災害リスクをチェックすること。転居先などを考える場合、これらのことは忘れずに行うようにしましょう。

ハザードマップは洪水(洪水の深さ)や内水氾濫、土砂災害(急傾斜地の崩壊・土石流・地すべり)、津波(浸水の深さ)を色分けして記したマップで、各市町村で準備されているほか、NHKなどのサイトでも見ることができます。

ハザードマップでリスクがないと分かっても、過信は禁物。近年、台風は勢力を増し、豪雨が頻繁に起こるなど自然災害は激甚化しており、いつ想定外の事態が起こるか分かりません。いざという時の備えをすることや、避難ルートや避難場所を確認しておくことも大切です。

※NHKの全国ハザードマップ 

//w-hazardmap.nhk.or.jp




最後に

地震や台風・豪雨など、さまざまな自然災害から家族とマイホームを守るには、「災害に強い立地」を選ぶのが一番と言えるくらい、大切なポイント。何より地震対策には、地盤が強固であることが重要です。家自体がどんなに揺れに強い建物でも、軟弱な地盤の上に立っていたのでは、地震によって傾いたり倒壊したりする恐れがあります。

これからマイホームを建てたり買ったりする時は、自然災害のリスクが分かるハザードマップやインターネットのサイトを参考にして、立地選びをすると良いでしょう。









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