ローン残債がある場合の マンションの買い替えについて


 


マンションの買い替えをしたいけれども、まだ住宅ローンが残っている……そんな場合でも、買い替えというのはできるのでしょうか。そもそも、ローンが残っていたら買い替えなど無理なのでは、と考えている人もいるでしょう。

しかし、実は住宅ローンが残っている状況でも、方法を選べばマンションの買い替えは可能なのです。今回は、居住中のマンションに住宅ローンが残っている場合の買い替えを、どのように進めればよいのかについて説明します。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─




まずは住宅ローンの残債額を知る






住宅ローンが残っているマンションは、住宅ローンの担保として「抵当権」が設定されています。マンション売却の際に、この「抵当権」の抹消手続きが必要となります。


住宅ローンが残っているマンションを売却する場合、まず原則としてその住宅ローンを完済しなければなりません。家の売却代金を受け取るのと同時にその住宅ローンを完済し、「抵当権」の抹消手続きをしてから買主に引き渡す必要がある、というわけです。

そこで重要となるのが「売却代金で住宅ローンを完済できるかどうか」という点です。それを調べるために、①自宅がいくら位で売却できそうか ②住宅ローンがいくら残っているか 以上の2つを知る必要があります。


①については、不動産情報サイトで近隣のマンションがいくらで売り出されているか調べると、周辺の相場がわかり、ひとつの目安になるでしょう。より詳しく知りたい時は、不動産会社の無料査定を利用して自宅の売却価格を知るという方法があります。不動産会社の多くは、売却希望者のために無料査定を実施しています。

②については、金融機関から発行されている返済予定表や残高証明書で確認する、借入れをしている金融機関の窓口やサイトで確認するなどの方法があります。






住宅ローン残高が分かったら







住宅ローンの残高と、現在の自宅の予想売却価格がわかったら、次の2パターンに分かれることになります。


①売却価格が住宅ローンの残高よりも上回っている「アンダーローン」の場合

住宅ローンを完済できるため、買い替えを進めることができます。

自宅が売却できたら住宅ローンを完済し、新たなローンを組んで、買い替え先の新居の購入が可能となります。住宅ローン完済後にお金に余裕があれば、新居の頭金に回したり、諸費用にあてたりすることができます。

ですが、金額がギリギリのアンダーローンであれば、実際に売却してみたら思っていた額で売れず、ローンを完済できないという事態が発生するかもしれません。そのような場合は、預貯金や他からの借り入れなどで、ローン完済に足りない額の補填が必要になります。


②売却価格で住宅ローンを完済できない「オーバーローン」の場合

そのままでは、買い替えができません。ギリギリのアンダーローンの場合と同様、ローン完済に足りない額を預貯金で補填、あるいは他から借り入れをして補填などすれば、買い替えは可能となります。






オーバーローンの場合~買い替えローンを利用する





売却代金で住宅ローンを完済できない、いわゆるオーバーローンの状態で、不足分を補填するための手だてがなければ、もう買い替えは無理なのでしょうか。いえ、そんなことはありません。そういう場合は「買い替えローン(住み替えローン)」を利用すれば可能となります。

「買い替えローン(住み替えローン)」とは、新しい家を購入するための住宅ローンに、今のローン完済に足りない分の額を上乗せしてお金を借りるというものです。

通常の住宅ローンでは、新居の購入金額分のみしか借りることができませんが、買い替えローンを利用すると「今の自宅の残っている住宅ローン+買い替え先の購入資金」という、担保物件の価値以上のお金を借りることができます。


買い替えローンの最大のメリット

一番のメリットは、住宅ローンに残債があっても買い替えを進められるという点です。貯蓄などを使って今のローンを完済しなくても、新たな住宅ローンが組めるため、手元に資金を残しておくことができます。

また、この「買い替えローン」を利用して買い替えを進めていれば、気に入った物件を見つけた時点ですぐに購入の決断が可能です。


買い替えローンのデメリット

「買い替えローン」は、すべての金融機関(銀行)で取り扱っているわけではありません。そのため、まず借り入れできる金融機関が限定されます。また、ローン審査は、金融機関(銀行)によって諸条件が異なるものの、総じて収入額や勤務先の規模・安定性が重視され、審査はより厳しくなっています。「買い替え先の購入代金+自宅の残っている住宅ローン」という、担保となる物件の価値以上の借り入れとなるため、毎月の返済金額も高くなることを考慮に入れての審査になるからです。





住宅ローンが残っている場合の買い替えは「売り先行」





買い替えの方法としては、住んでいる家を先に売る「売り先行」と、先に新居を購入する「買い先行」の2つの方法があります。


売却代金でローンを完済して買い替えをする場合は、先に売却をする「売り先行」で買い替えをすることが一般的です。住宅ローンが残っていると、ローン完済が必須条件となるためです。「売り先行」にして、先に売却額を決定しなければなりません。

例えば、ローン残債が3,000万円ある家の場合、3,500万円で売却できたら、500万円が手元に残り、新居の予算を少し増やすことができます。反対に2,500万円でしか売却できなかった場合、500万円不足、住み替えのプランが崩れてしまう可能性も生じてしまいます。

そのため住宅ローン残債がある場合は、「売り先行」で買い替えをすることになるのです。





購入したい物件が先にある場合~「ダブルローン」利用の検討を






今住んでいる自宅を売却する前に、購入したい新居が見つかってしまったら……。やはり買い替えを考えるのは無理なのでしょうか。いえ、このような場合「ダブルローン」という方法があります。


ダブルローンとは、今の住宅ローンとは別に、もう1本新たな住宅ローンを組んで新居を先に購入し、今の家が売れるまで2つのローンを同時に毎月返済していく、というものです。

最大のメリットは、今の自宅の売却を待たず、希望の新居が購入できるという点です。ですが、相当に年収が高く、かつ、今の住宅ローンの残債が少ない場合でしか利用できないケースが多いです。

デメリットは、当然のことながら、ダブルローン期間中は、月々の返済額が多くなること。利用するかどうかは、かなり慎重に検討する必要があります。


今の自宅の売却代金だけでローンの残債を完済できるケースは、多くはありません。「売り先行」で売却が決定してからの新居探しとなるため、新居を探す間、仮住まい先が必要となる場合もあります。自宅売却にも仲介手数料などの諸費用が必要で、売却代金を全額、ローン残債と新居に回せるわけではありません。今の自宅をできるだけ高く売却できるかどうかは、住宅ローンの残債が残っている家を買い替えるうえでとても重要です。





最後に





住宅ローンが残っているマンションの買い替えでは、今の自宅を少しでも高く売却でき、いかにスムーズに「売る、買う」を完結することができるかにかかっています。

そのため、売却に強い不動産会社に買い替えを依頼することが大切でしょう。日住サービスは、売却はもちろん購入に関しても、長年にわたり培われた豊富な実績・情報力を駆使して、早期の売却・購入のサポートを行っています。いつでもお気軽に、相談窓口までお問合せください。




株式会社日住サービス

株式会社日住サービス

日住サービスは大阪・兵庫・京都の不動産探しのお手伝
いをしている総合不動産企業です。不動産に関するあら
ゆるご相談を承っております。