値ごろ感が魅力のペンシルハウス。資産価値はいかに?

最近見かけるのは近所の一軒家が取り壊され、それほど広くない敷地に細長い3階建て住宅3戸が建設中、という風景。このような狭小地に建てられる多層構造の小規模戸建ては、間口が狭く、鉛筆のように細長い形状をしていることから「ペンシルハウス」と呼ばれています。
都市部を中心に住宅価格が上昇している昨今。15〜20坪程度の狭い土地に立つペンシルハウスは、駅近など比較的利便性の高い立地であっても割安なことが多く、若い世帯を中心に人気が高い傾向にあります。一方で、長期居住や資産価値を考えた場合の不安も聞かれます。
では、ペンシルハウスは本当に「割安」で「お得」なのでしょうか?


快適な3階建ての敷地面積は58㎡以上

国は、快適に暮らせる戸建ての延べ床面積の目安を、3人家族なら一般的に100㎡としています。3階建ての建築面積を35㎡、建ぺい率を一般的な60%で計算すると、敷地面積は58㎡強となります。
この数字、できれば住宅購入の目安にしたい数字ですが、実際はこの水準を下回る「小規模戸建て」が増えています。背景に、地価や資材価格が高騰するなか、住宅販売業者がコストを抑えて戸建て需要に応えようとしていることが考えられます。
小規模戸建てには、1階に駐車場と水回り、2階にリビング、3階に寝室という間取りパターンが多く見られます。


ペンシルハウスは建て替え・リフォーム費用が割高


高齢となり階段の昇り降りが負担になれば、このような小規模戸建ての階段の多い間取りはどうしても暮らしにくくなります。
かといって、減築や建て替えをしようにも建物を敷地いっぱいに建てているペンシルハウスは工事の際に足場が隣地へはみ出ることも少なくなく、その場合は隣地の住民と合意できなければ着工もできません。
また、土地が狭く重機の入るスペースがなければ解体や建築の工程の多くが手作業となりその分、人件費もかさみます。
つまりペンシルハウスは一般的な住宅より解体費も建築費も割高になりやすいと考えた方が良いでしょう。

売却しにくく、資産価値の維持が難しい


将来的に、建築基準が厳しくなった場合のリスクも承知しておきましょう。
日照権を確保する北側斜線や、道路の採光・通風を確保する道路斜線制限が厳格化したり、用途地域が変更されたりした場合。狭い敷地いっぱいに建てられた3階建て・4階建てのペンシルハウスは建て替えの際に、今より居住スペースを狭める必要が生じてくるかもしれません。そればかりか住宅の新築ができない可能性すらあります。
そうなれば家を売却しようにも買い手が見つかりにくく、希望価格での売却が難しくなる可能性も。それでなくても階段が多いなどの間取りの特性から高齢者や子育て世帯には住みにくいと判断され、売却は不利になりがちです。
これらの理由などから、ペンシルハウスは資産価値の維持が難しいため、将来的な売却を視野に入れるなら、購入は慎重にした方が良いかもしれません。


最後に

狭い土地に立つ細長い「ペンシルハウス」は、値ごろ感があって都市部の若い世帯に人気です。ですが、売却や建て替えでは不利になる可能性があり、将来の値上がりを期待して購入するにはリスクもあります。

ペンシルハウスは一概に「割安でお得」とは言いきれません。その一方で、年をとっても快適に暮らせるロケーションや間取りをきちんと見極めて選び、長く住み続けるつもりであれば、コスパが良いと考えられるかもしれません。


株式会社日住サービス

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