最寄り駅を考える。~駅から遠い物件の場合~
物件を探す際の優先条件のひとつに「最寄り駅との距離」が挙げられます。駅近の物件を選ぶ人もいれば、逆に駅との距離よりも部屋の向きや間取り、設備などを重視する人もいます。
今回は、最寄り駅から遠い物件のメリットとデメリットを参考にしながら駅から遠い物件を選ぶ際に押さえておきたいポイントをみていきましょう。
「駅から遠い」ってどのくらい離れている?
「駅から遠い物件」とは、駅からどのくらい離れている物件をいうのでしょうか。
遠いと感じるかどうかは、人によって感覚が異なるので一概に「この距離」と断定はできません。ですが、一般的には「徒歩10分圏内が駅近」と言われています。ということは「徒歩15分以上」だと駅から遠い物件と考えてよいでしょう。
不動産情報に出ている「徒歩〇分」という表記は、実際に歩いて計測したものではありません。「不動産の表示に関する公正競争規約」において、約80mにつき徒歩1分に相当するものとして計算されています。具体的な距離にすると、徒歩10分以内なら約800m以内、徒歩15分だと約1.2kmとなります。
駅から近いのか遠いのか徒歩の時間からではつかみにくい時は距離に換算して考えてみるとイメージしやすいでしょう。
駅から遠い物件のメリットって?
◆駅近物件よりも価格(賃料)設定が低め
駅から遠い物件の大きなメリットは、価格(賃料)が低めなこと。駅近物件と同等の広さや似たような間取りでも、駅から遠い物件になると価格(賃料)が低く設定されることが多いです。
駅から離れた立地は交通や生活利便性に欠けやすいことから駅近の物件に比べると敬遠されがち。価格(賃料)に差をつけてお客さんの目を引く、集客率をあげるためという意味でも価格は低めになる、ということです。
◆住環境が静か
駅より離れているエリアは、比較的静かな住環境が広がっています。駅前周辺にはどうしても物販や飲食などの店舗が集まるために駅近物件では駅前の喧騒な空気を受け入れる必要があります。また、終電までは電車の通過音が聞こえる場合もあるでしょう。
一方、駅から遠い物件は静かな住宅街に位置しているケースが多く、比較的静かな暮らしを手に入れやすいです。駅から遠い物件でも幹線道路や線路などに面している物件もありますが、駅近にこだわらない分、物件の選択肢が多く希望する環境に合う物件を選びやすくなることもメリットです。
◆緑が豊富
駅から遠い物件は緑豊かな環境に恵まれていることが多いです。遊具や広場のある公園が近いと子どもの外遊び場所に困らず、子どもを遊ばせながら親同士の交流もできて子育てファミリーにとって嬉しい環境といえるでしょう。
また、それが広い公園であれば大人もウォーキングやペットとの散歩コースに利用できますし、身体を動かすことが好きな人、健康志向の人には最適です。駅から遠くても、春には新緑、秋には紅葉など四季の移ろいが繰り広げられる自然豊かな住環境は心を和ませてくれるものがありますね。
◆運動不足を解消
徒歩15分や20分程度であれば徒歩移動で苦にならない人もいます。
駅への往復を徒歩にするとちょっとした運動になり、習慣化させることで運動不足の解消・足腰の強化・体力アップなどの効果が期待できます。特に、普段から運動をする時間がない人、デスクワークの多い人などには嬉しいメリットといえるでしょう。
「歩くこと」は鬱の抑制になるという研究もあり、メンタルの安定化にもつながりそうです。
◆駅距離以外の条件が良い場合も多い
駅から遠い物件は、他の条件が良いケースもあります。
例えば、住居面積が広い・築年数が浅い・築年数はそれなりだがリフォーム済み・共用設備として宅配ロッカーがあるなどの好条件が見受けられます。部屋の広さや設備、築年数などにこだわりがある人は駅から遠くても満足度は高くなるでしょう。
駅から遠い物件を選ぶデメリットは?
◆通勤・通学に時間がかかる
駅からの距離にもよりますがかなり離れている場合はその分だけ朝早くに家を出る必要があり、また帰宅時間も遅くなります。
帰宅時に重い荷物を持っていたり、疲れていたりする時は「ヤレヤレ」と感じるかもしれません。駅までバスや自転車、原付を利用するなど移動手段の工夫が生じてきます。
◆天候の悪い日は憂鬱に
天候が悪いと自転車や原付での移動は危険なので徒歩かバス利用になります。雨の中を歩くのは気が進まないし、雨天時はバスの利用客も多くなり混雑します。「あ~、雨かぁ~」とついため息が出てきそうです。
◆駐輪場代が発生する
駅まで自転車や原付の利用となると駅周辺の駐輪場に置く必要があります。駅周辺に無料駐輪場が設置されていることは期待薄で有料駐輪場を利用となると駐輪場代がかかります。
都度払いにしても月極にしてもある程度の負担が生じることは必須です。
◆バスの本数や時刻の確認も
駅までバス利用となる場合、バス停の位置の確認が必要です。自宅近くにバス停があればいいですね。また、トラフィック業界で運転手不足が言われている昨今、タウンバスの運行数の減便、最終バスの時間の切り上げなどの現象が生じています。つまり、バス便の本数(頻度)や時刻(運行時間帯)も要確認事項となります。
◆住宅街には商業施設が少ない
駅周辺にはコンビニやスーパー、飲食店などが集まっていますが、駅から離れるとこれらの商業施設は少なくなる傾向があります。商業施設や医療施設、郵便局などを近隣センターという場所に集約して開発した住宅地もあり、それが近くにあればいいですが立地によってはスーパーやコンビニでさえも少し遠い場合があります。
◆夜道が不安
駅から離れると、どうしても人通りは少なくなりがち。したがって、夜道の一人歩きは不安を伴います。多少は人通りのある道や明るい道を選ぼうとすると遠まわりになることも。最終バスに間に合わなかった場合、深夜でも駅前のタクシーが利用できるかどうか確認しておきましょう。
最後に
価格や諸々の事情により、駅から遠い物件を選ぶこともあれば、たまたま気に入った物件が駅から遠い物件だったという場合もあります。駅から遠い物件のメリット・デメリットを把握していれば、実際に物件の環境チェックをするのに役に立ちます。住み始めてから後悔しないためにも駅から歩いて現地へ行き、「ここで暮らしたら......」と生活シーンをイメージしながら自身にとって押さえておきたいポイントをしっかりと確認しておきましょう。
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