マンションの駐車場の種類とメリット・デメリット、問題点について
車を所有している人にとって、駐車場は必要不可欠です。新築・中古を問わず、分譲マンションについている駐車場の種類やそのメリット・デメリット、また、マンションの駐車場が抱える問題などについて、今回みていきましょう。
マンションの駐車場は必ず使えるとは限らない
多くの自治体が、条例で駐車場の設置率を定めており、自治体により、マンションの駐車場の設置台数がどのくらいあるかは異なります。マンションの敷地の広さによっては、総戸数の100%以上の台数が確保されているマンションもあります。反対に、都市部など土地の価格が高いエリアでは、総戸数に対して、その数より少ない台数の駐車場しか設置されていない場合が多いです。駐車場設置率が低いマンションの場合、マンション内に駐車場が確保できなければ、近隣の月極駐車場を借りることになります。
まずは、マンションの駐車場の種類と、そのメリットやデメリットをみていきましょう。
駐車場の種類その1:平面駐車場
平面駐車場は、ご近所でもよく見かけるような、ごく一般的な駐車場です。平置き駐車場ともいい、平地で舗装してあり、区画のラインが入っている駐車場のことです。建物の1階部分を駐車場にしたタイプもありますが、屋外で屋根がないケースが多くなっています。
<メリット>
基本的に車種や車の大きさを問わず、どのようなタイプの車でも駐車できます。操作盤などを触って動かす必要がないので出し入れがしやすく、メンテナンス費用がほとんどかからないこともメリットです。
<デメリット>
いわゆる青空駐車、屋根がないことが多いので、車が風雨にさらされることになり汚れやすいです。また、平面駐車場は広い敷地面積を必要とするので、都心のマンションでは平面駐車場の設置台数が少ない場合が多いです。
平面駐車場と、後述する機械式立体駐車場を併設しているマンションもあります。車の出し入れがしやすい平面駐車場のほうが、人気があり希望者が多いため、平面駐車場の使用料が高めに設定されている場合が多くなっています。
駐車場の種類その2:自走式立体駐車場
マンションでよく見る自走式駐車場は、地下や別棟として立体的に造られるタイプの駐車場です。
<メリット>
屋根があることで車が汚れにくく、雨天時でも雨に濡れずに乗り降りができます。したがって、車の利用が苦になりにくいと言えます。車高の高い車が駐車できる点もメリットです。
<デメリット>
駐車時はスロープを上がることになり、駐車する位置が最上階の場合だと、駐車するのに時間がかかります。また、最上階には屋根がないことが多いため、雨天時の車利用に傘が必要になるかもしれません。
駐車場の種類その3:機械式立体駐車場
機械を使って車を上下左右に移動させて、パレットに駐車する駐車場のタイプで、都心部ではよく見られます。マンションに採用されている機械式駐車場は、大きく分けてピット二段式、昇降横行式、垂直循環方式、エレベーター方式、以上の4つがあります。
<メリット>
狭い敷地でも多くの駐車場台数を確保できます。車の出し入れに操作が必要なため、盗難やいたずらの被害にあいにくいこと、屋根があるものは車が汚れにくいことがメリットです。
<デメリット>
駐車できる車のサイズに制限があること(車長・車高・車幅)、パレットを移動させる操作が毎回必要で、入出庫に時間がかかります。雨天時や荷物がたくさんある時などは、面倒に感じるかもしれません。機械で動かしている分、定期的なメンテナンスが必要となり、維持管理コストは高くなります。つまりは、駐車場使用料が高めになるということです。
マンションの駐車場に関する注意点:権利について
マンションの駐車場を利用する際には、幾つか知っておくべき注意点もあります。駐車場の権利についての問題と、空き駐車場の問題です。まずは、駐車場の権利についてみていきます。
駐車場の権利については、次のようなことを知っておくとよいでしょう。
分譲マンションの駐車場には「分譲駐車場」、「賃貸駐車場」があります。「分譲駐車場」を採用しているマンションは少なく、ほとんどが「賃貸駐車場」ですが、一部高額物件では「分譲駐車場」を採用していることもあります。
「賃貸駐車場」の場合、マンションの駐車場は共用部分となり、管理組合が運用や管理を行い、居住者に賃貸する、という仕組みになります。駐車場を利用する時は、管理組合に駐車場の使用料を支払うことになります。
「分譲駐車場」の場合は、駐車場の月々の使用料はありませんが、駐車場区画の購入代金、登記費用、固定資産税などを払う必要があります。マンションによっては、住戸とは別に、分譲駐車場の月々の管理費や修繕積立金を設定している場合があります。
空き駐車場の問題について
昨今、若者のクルマ離れや、カーシェアリングの普及などが要因で、車の所有率が低下傾向にあり、マンションの空き駐車場が増えてきています。空き駐車場問題は、管理組合だけでなく居住者にも影響を及ぼす可能性があります。
駐車場の使用料は、管理組合の収入として管理費や修繕積立金にあてられますが、空き駐車場が増えることで、管理や修繕に必要な費用が足りなくなり、結果として居住者の負担が増えることにつながります。特に、機械式立体駐車場の場合はメンテナンス費用が高く、空きが増えると駐車場の使用料金が上がったり、駐車場の維持・管理に支障をきたしたりする可能性も考えられます。自分が利用しているマンションの駐車場の利用率が、全体でどれくらいなのかは、知っておくとよいかもしれません。
最後に
マイカーを所有するしないに関わらず、また、駐車場を借りていてもいなくても、駐車場はマンションの共用部です。駐車場の使用料はマンションの維持・修繕費用に充てられるケースが多く、駐車場に空きが多くなると、その積み立て費用が少なくなっていきます。少なくなった分の負担はどうなるのかなど、マンションを選ぶ際には将来を見据えて、長期修繕積立計画との関わりをチェックしておくことも大切でしょう。株式会社日住サービス
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