北向き住戸の快適な住まい方
北向き住戸と言えば、「陽が入らず暗そう」「寒そう」「湿気がこもりやすくカビが発生しそう」といったイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。では実際のところ、北向き住戸にはメリットはないのでしょうか?
今回はメリットとデメリットを確認しながら、北向き住戸を快適に住まうアイデアや方法についてみていきましょう。
陽ざしが入る時間が短いぶん、夏涼しい
真北を向いた部屋は、日中ほぼ陽が当たりません。陽ざしが部屋の中まで入ってこないので、夏は部屋が暑くなりにくく、涼しいことがメリットです。さすがに、気温が35℃を超えるような真夏の猛暑であれば、北向きでもエアコンは必要ですが、エアコンをつける期間は短くてすむでしょう。
また、少しでも東や西にふれていれば、朝や午後の陽ざしが期待できます。陽当たりが良くないといっても、全く光が入らないわけではなく、周りを開けていれば、間接光などによって明るさはあります。
結露を原因とするカビが心配
北向きの部屋のデメリットは、結露しやすい点です。
結露は、外気と室内の温度差によって、部屋の中の水蒸気が水滴に変わり窓や壁につくという現象です。防止するためには、壁や窓の断熱が有効です。外気に接する壁や窓の内側に「断熱材」を装着すると、外気の影響で室内が冷えるのを和らげる効果があります。
近年のマンションでは、外気に接する外壁は壁厚を厚くする、断熱材を挿入する、など断熱性能を高めた建物であることが多く、結露が軽減されています。そうでない建物の場合、結露が発生したら、水滴をふき取り十分に換気を行いましょう。そして、少しのすき間だけでも窓を開けて24時間換気を行い、空気の流れを作るなど、家の換気性を高めましょう。
まだまだある北向きのメリット
北向きのメリット、ほかにも考えられる点を挙げてみました。
【価格が安い】
分譲マンションの場合、専有面積の広さにもよりますが、北向き住戸は価格が比較的安く設定されていることが多いです。向きにこだわらない方には、メリットになります。
【日焼けの心配がない】
また陽が入らないので、家具や畳、書籍、カーテンなどが陽に焼けて変色や劣化することがありません。日焼けの心配をせず、お気に入りの家具のレイアウトなど自由にできます。
【光が柔らかく安定している】
そして、陽ざしは入りませんが、やわらかい安定した光が部屋を満たします。外にある建物に当たった陽ざしが、反射して北向きの部屋に光をもたらしてくれます。建物によって遮られることがなければ、北向きだから暗くなるということは、少ないのです。
【緑も楽しめる】
日陰でも育つ植物には、時々日光浴をさせるくらいで、ちょうどよい植物があります。そうしたやわらかい光を好む観葉植物を育てやすいです。北向きの部屋だから観葉植物を置けない、ということはありません。
北向き住戸で快適に暮らすアイデアと工夫
今度は、北向き住戸で暮らすためのアイデアや工夫を、いくつか挙げてみます。
【照明の複数使いで明るく、お洒落な空間に】
部屋の暗さが気になる場合は、照明で明るさを確保しましょう。ひとつの照明だけで明るくしようとすると単調になってしまうので、メインの照明のほかに、部屋の隅に高さのあるスタンドライトをレイアウトする、卓上ライトを家具の上にディスプレイする、など複数の照明器具を点在させ光のコントラストをつけることで、メリハリのある空間演出ができるでしょう。
【光を取り込む鏡をレイアウト】
鏡は周りの光を取り込み、室内の印象を明るくしてくれるアイテムです。空間に広がりや奥行きを見せる効果もあります。室内が暗いと、その分狭く感じるので、鏡を置いてみるといいでしょう。周りの家具とのバランスを見て、視界に入るところに配置しましょう。
【観葉植物をプラスする】
癒し効果があり、空間に動きを演出する観葉植物は、室内にイキイキとした印象をプラスしてくれます。風水的にも「気」の流れを良くしてくれると言われています。モンステラやポトス、カポックは日陰に強く、耐陰性のある観葉植物で、北向きのお部屋でも育てることができます。
【明るい色で圧迫感のない家具でコーディネート】
北向きの部屋では、家具を明るい色で統一し、室内のトーンを上げることも効果的です。膨張色であるホワイトは、空間を広く見せてくれます。家具の背丈を低いものにして圧迫感を少なくする、扉のないオープンシェルフにする、などすっきりとした雰囲気を演出してくれる家具をレイアウトするとよいでしょう。
最後に
「人気がないから(デメリット)、価格が安い(メリット)」「陽当たりが良くないが(デメリット)、夏は涼しい(メリット)」など、メリットとデメリットは表裏一体の部分もあります。マイナスイメージが多いと思われる北向き住戸も、工夫やアイデアを取り入れて上手に住みこなせば、快適に暮らせるものです。住戸の北側に建物が密集していない、高層階に位置しているなど、周りの環境を合わせ見ることで、北向き住戸にもたくさんのメリットが見えてくるはずです。新築マンションの場合は現地周辺見学をする、中古マンションの場合は実物住戸内を見学するなど、しっかりと事前の調査を行い、北向き住戸の理解を深めましょう。
株式会社日住サービス
日住サービスは大阪・兵庫・京都の不動産探しのお手伝
いをしている総合不動産企業です。不動産に関するあら
ゆるご相談を承っております。