マンションの中住戸の魅力を探る
2022.08.26マンションマンションでは、とかく「角住戸」や「最上階」が、その条件の良さから人気があります。ですが、ここで少し見方を変えて、角住戸でも最上階でもない「中住戸」のメリットに目を向けてみましょう。 通常のマンションなら、中住戸の方が圧倒的に数が多く、選択肢が広がりそうです。 今回は、マンションの中住戸の魅力や住み心地を探っていきましょう。
外気の影響を受けにくく、冷暖房効率がよく光熱費を抑えられる
左右のどちらかにだけ別の住戸があるのが、角住戸。両隣に別の住戸があるのが、中住戸です。凝った設計のマンションは別として、通常の板状型のマンションの中住戸では、開口部は、メインバルコニーと共用廊下側の開口部(窓など)の2面になります。
両隣に住戸があるために、角住戸と比べると外気にさらされる部分が少なく、日光や外気の影響を受けにくいです。室内が夏は暑くなりにくく、冬は寒くなりにくい傾向があり、過ごしやすい面があると言えるでしょう。
例えば、日照時間の長い夏であれば、東南角住戸は朝から東面が日光に照らされ、室温が上がります。南西角住戸では、夕日がいつまでも室内に入り、西日が奥まで届きます。それだけ、日光の効果を受けることになります。
これに対して、壁に囲まれている中住戸は、室内の気温の変化が少なくて冷暖房効率がよく、省エネ効果に期待大。光熱費も抑えやすく、電気代がアップする昨今、家計にありがたいことと言えそうです。
開口部が少ないために、防犯対策がしやすく、外からの音も聞こえにくい
中住戸は開口部が2面のため、3面に開口部のある角住戸より防犯対策がしやすい、と考えられます。就寝時や外出の際の施錠箇所も、数が単純に少なくなりますね。
また、角住戸に比べて、外からの音の影響が軽くなります。鉄道や幹線道路など、騒音の発生源が近くにある場合、開口部が少ない方が騒音の影響を受けにくい傾向があります。
リモートワークが主体の家庭にとって、静かな室内環境でのワークは、より効率が上がるのではないでしょうか。
開口部が2面でも、窓からの眺めや開放感などは、上層階に位置していれば、さほど劣ることはないでしょう。また、結露が発生する箇所が少なくなり、カビの心配も減ります。ただ、換気が悪ければカビは生えるので、結露した部分はしっかり拭いて、換気を十分に行うことが大事です。
壁面が多く、家具のレイアウトがしやすい
中住戸は、2面の開口部以外は壁のために、角住戸に比べて壁の面積が多くなっています。その分、大型の収納家具や背の高い家具など、ある程度広い壁を必要とする家具の設置がしやすくなります。
また、窓をふさがずに配置したい場合も、壁面の多い方がレイアウトがしやすく、室内の広さを有効に使えます。
購入時の選択肢が増える、価格も角住戸より低め
マンション全体が、L字型やコの字型のような特殊な住棟構成ではなく、通常の板状型マンションの場合、各フロアの両サイドが角住戸で戸数は2戸。あとは全て中住戸となり、中住戸の数が圧倒的に多くなります。
中住戸の場合、同じ専有面積でも「反転タイプ」や「和室あり・なしタイプ」などがあったり、また、専有面積に大小があったりと、様々なプランバリエーションが設けられていることが多く、それだけに購入時の選択肢が増えます。選択肢の多い中住戸を対象にすると、対象物件の幅が広がりそうです。
また、専有面積の広さによって価格差はありますが、相対的に、角住戸よりは中住戸の方が価格が低く設定されていることが多いです。購入時の費用を抑えることができれば、その分を家族旅行や嗜好品を購入するなど、他の楽しみに回すこともできそうです。
中住戸で気を付けておきたいこと
その1:壁に囲まれているために…
両隣の住戸の生活音が気になることも。隣家の生活音が大きい場合、壁厚が薄いと音が響いてくる可能性があります。気になるようなら、家具を置くなどして、防音対策を施してみましょう。
その2:家の前を行き来する人が多い
中住戸は、共用廊下の途中にあります。エレベーターホールや階段に近い位置に住戸があると、家の前を行き来する人が必然的に多くなります。そのために、プライバシーという面では、角住戸より条件は悪くなりそうです。
最後に
今回は、2面開口の「中住戸」の魅力や住み心地をみてきました。価格、冷暖房効率、防犯性など角住戸よりメリットがある分、プライバシー条件や明るさの面では劣る部分もあるようです。
しかし何より、中住戸は一般的に角住戸と比べて戸数が多く、プランを選ぶ際の選択肢が広がります。ここは角住戸信仰を一歩譲って、中住戸へも目を向けてみるというのも、良い発想の転換なのではないでしょうか。

株式会社日住サービス

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