ロフトや屋根裏部屋を〝正しく〟作る方法!

2022.09.16一戸建て
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屋根裏部屋

間取り図データに、「3LDK+ロフト」や「3LDK+屋根裏部屋」と書かれていたら、ワクワクしませんか?「3LDK+小屋裏収納」だと、天井裏の暗い物置が頭に浮かんで、テンションはややダウン……?

実は、ロフトも屋根裏部屋も小屋裏収納も、建築基準法では、「小屋裏物置等」という扱いになり、ほぼ同義語。法律上、空間の用途は「物置き」に限定され、広さや高さなどに制限が設けられています。とはいえ、法的条件を満たせば、物置きを「部屋」として使用するのは個人の自由。

今回は、屋根裏部屋を作る際の注意点について考えます。

 

屋根裏部屋は、天井高・広さ・階段などに、厳格な制限あり

屋根裏部屋

屋根裏部屋は、天井高が1.4mを超えたり、床面積が直下の階の2分の1以上になったりすると、屋根裏部屋ではなく、法律上は「居室」になります。

例えば、2階建て住宅の屋根裏部屋が、制限を超えて「居室」になった場合、その家は、法律上は3階建てになります。用途地域制限や建築協定で3階建て以上が建てられない地域があるので、注意しなければなりません。

さらに、「居室」扱いの屋根裏部屋は、床面積が建築面積・延べ床面積に算入されるため、建ぺい率・容積率の制約をうけ、固定資産税や保険料に影響してしまいます。

屋根裏部屋に上がるには、固定式の階段・ハシゴ、または取り外しのできるハシゴのどちらかを、利用することになります。固定式の階段・ハシゴを設置する場合、条例によっては、屋根裏部屋の天井高は0.7m以下と規制が厳しくなることがあります。

また固定階段の面積と屋根裏部屋の床面積の合計は、直下の床面積の1/2以内でなければなりません。固定階段を認めていない自治体もあり、固定階段を設けることで、2階建て住宅が、「3階」と見なされることがあります。窓の設置に関しても、自治体によって、大きさなどの制約があります。

具体的にどのような制約があるか、居住地域の自治体について確認することが必要です。

<屋根裏部屋の基本的な条件>

・天井高は最大1.4mまで

・床面積は直下の階の2分の1未満

・昇降は取り外し可能なハシゴなど。固定階段などはNGの場合も

 

屋根裏部屋は、収納・隠れ家・遊び場に。開放感の演出にも◎

小屋裏収納

屋根裏部屋があれば、デッドスペースだった屋根直下の空間を、有効に活用することができます。

大容量の物置にすれば、収納不足を解消し、居住部分の室内をすっきりさせることができます。

出入口を完全に閉じるタイプの屋根裏部屋でなければ、直下の居室とひとつながりの、伸びやかな空間を演出することができます。

また、子どもの遊び場としても活用できます。はしごを昇ったり、高い場所から部屋を見下ろしたり、子どもにとって屋根裏部屋は、隠れ家的な楽しい場所。2階リビングの屋根裏部屋なら、家族の気配が伝わるため、安心して遊ぶことができるでしょう。子ども部屋に屋根裏部屋を設ければ、下の階に勉強机を、屋根裏部屋に寝具を置くなど、空間を効率よく分けて使うことができます。

 

屋根裏部屋は、昇降・掃除が大変。夏暑く、冬寒いのも弱点

屋根裏部屋

屋根裏部屋に固定の階段が設置できない場合は、ハシゴなどで昇り降りすることになります。屋根裏部屋を物置として利用するなら、頻繁に出し入れするものや、重いものは収納しないほうがいいでしょう。不安定な体勢で、物を持って昇り降りするのは危険です。

掃除機を持っての昇降も困難になるため、日常の掃除が大変です。天井が低いため、腰をかがめての掃除も負担になります。

また、屋根が断熱施工されていない場合は、夏は暑く、冬は寒くなります。「部屋」として利用するのは、難しくなるといえるでしょう。

 

屋根裏部屋は、フローリングはOKで、畳はNG?

ロフト

一戸建ての場合、屋根形状にいくつかの種類があります。陸屋根といわれる平らな形状の場合を除き、切妻屋根、寄棟屋根などの一般的な屋根形状なら、屋根裏部屋を設けることができます。

リフォームで屋根裏部屋を作る場合は、天井を解体して、吹抜けに床を作ります。

物を置いたり、人が上がったりした時の重さに耐えられるように、梁や根太、柱による補強が必要な場合があります。

「部屋」として利用するなら、内装をフローリングやビニールクロスで仕上げます。ただし、「居室」ではないので、階下の居住フロアと同様のフローリングはOKでも、畳や絨毯、タイルカーペットで仕上げることは原則できません。2カ所以上のコンセントや、電話・TV・LANの設置が認められない場合もあります。

 

最後に

ロフト

「ロフト」や「屋根裏部屋」の響きには、非日常感があって、ワクワク心惹かれるものがあります。でも、その法的制限の多いことといったら!制約の範囲内で、どれだけ居心地のいい屋根裏部屋を作れるかは、施主のアイデアと、施工会社の腕次第。

うまく制約と折り合いをつけて、理想の屋根裏部屋が実現できれば、おうち時間がもっと楽しくなることでしょう。

タグ : 中古 一戸建て 新築 間取り リノベーション 築年数 収納 ロフト 屋根裏部屋 建築基準法
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