マンションの納戸、サービスルームの使い方、ロフトの活用術
2022.07.28マンションマンションの間取り図を見ていると、時折「N(納戸)」「S(サービスルーム)」という表記の部屋があります。一見、他の部屋と同じように思われますが、何か違いがあるのでしょうか?「部屋」でないとしたら、物入やクローゼットなどの「収納」との違いもあるのでしょうか?
また、収納とは別に「ロフト」というのも見かけます。こちらも単なる「収納」とは異なるのでしょうか?
今回は、納戸やサービスルーム、ロフトと「部屋」「収納」との違いを見ながら、その活用方法も探っていきましょう。
納戸やサービスルームは居室ではありません
建築基準法で「『居室』は、食事・就寝・娯楽・作業など生活をするために継続的に使用する部屋」と定められています。リビングやダイニング、洋室、和室が『居室』で、納戸やサービスルームは居室ではなく、廊下やトイレ、洗面室などと同じ分類に入ります。
さらに、居室の規定として「採光に必要な窓などの開口部が床面積の7分の1以上」、「換気に必要な開口部が床面積の20分の1以上」と決まっているために、開口部面積が規定以下の部屋または、窓を設置できない部屋は、居室ではなく納戸、サービスルームとなります。
例えば、6畳の広さでウォークインクローゼットまであるのに「サービスルーム」で、5畳なのに「洋室」と表記されていることがあるのは、この開口部や窓面積の規定によるものなのです。
N(納戸)やS(サービスルーム)は居室と呼べない部屋、他にF(フリールーム)やDEN(書斎)などがありますが、部屋の構造は同じで、使い方はそれぞれ自由です。
なお、不動産公正取引協議会の広告表示規約では、「S」は納戸として併記するよう指導されています。
居室ではないが、納戸やサービスルームの使い方は多彩です
居室としての規定を満たさないサービスルームとはいえ、実際は居室として使える場合もあります。
ある程度の広さがあり、少し採光や通風が劣るだけでちゃんと窓があり、クローゼットも設置されていれば、寝室や子ども部屋はもちろん、リモートワークのための仕事部屋などに使えます。
居室として使う場合は、エアコンの設置が可能か、コンセントの数が足りるかなどの設備の確認をしておきましょう。
窓が全くない、あったとしても小さくて居室としては使えないN(納戸)の場合は、家族共有の収納スペースとして使いましょう。広さにもよりますが、組立収納ラックやハンガーポールなどをうまく組み合わせて収納部屋にすれば、シーズンごとの衣替えもスムーズにできそうです。また、衣類以外にスーツケースなど、かさ張る物も保管しておけます。
ただ、奥の方にしまった物が取り出せない……ということが無いように、通路を作るなどの工夫が必要になるかもしれませんね。
マンションのロフトって、どうなの?
ロフトは、部屋のある場所を2層式にした場合の上の部分のことを言います。ロフトの天井は1.4m以下、面積はロフト部分直下階の床面積の2分の1までと規定されています。部屋の天井高が高くないとロフトは造れないため、マンションは最上階にロフト付住戸がある場合が多いです。
ロフトは天井の高さが最大でも1.4mしかないので、大人が立って移動することが難しいのですが、アイデア次第で使い方が広がります。
ロフトには、どんな使い方があるの?
まずは収納スペース。
扇風機やホットカーペットなど季節家電、スノーボードなど決まったシーズンしか使わないレジャー用品、シーズンオフの衣類や寝具類など、頻繁に出し入れしなくていい物の保管場所に最適です。ただ、はしごで上り下りするロフトは、大きな物を上げる時、下ろす時は注意して行いましょう。
趣味などの部屋として。
読書好きの人は、本に囲まれて時間を過ごせるマイライブラリーに。音楽の好きな人は、オーディオルームに。ゲームを楽しむ部屋にも。お好みのインテリアを飾り、アロマを焚いて寛ぎの空間に。子ども達の秘密基地、遊び場に。
収納スペース以外の使い方もたくさんありますね。
そして寝室にも。
天井が低く狭い空間なところに、どことなく落ち着きを感じる人もいるでしょう。寝具を置いて寝室にするのもいいかも。
ロフトは通気性がよくないので、夏は扇風機やサーキュレーターなどで通風を確保しましょう。
最後に
建築基準法では「居室でない」とされる納戸やサービスルームも、居室として使える場合があります。納戸と表記されているからといって、収納スペースにしてしまうのではなく、家族みんなで使い方のアイデアを出しあうのも楽しいでしょう。

株式会社日住サービス

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