暮らしを快適にする「窓のコツ」~その2

2024.04.15一戸建て
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窓

 

窓が住まいにもたらす主な恩恵は、以前に<暮らしを快適にする「窓のコツ」>で紹介したように、採光・通風・熱取得です。それらの恩恵をうまく享受する考え方について取り上げました。
今回は、「窓」第二弾として少し視点を変えて、「眺めを楽しむ、窓辺を楽しむ、外観のイメージアップ」など、暮らしを楽しくする装置としての窓の役割を考えます。

 


眺めを楽しむ

 

窓の印象

 

家の中で快適に過ごすには、窓から注がれる明るい日差しや心地よい風とともに、窓から見える広い空や木々の緑、街の景色などの「視覚的な効果」は欠かせません。

窓を決める時は、その先に見える空や緑、景色を室内にいかに上手く取り入れるか考えましょう。つまり、いくら大きくてインパクトのある窓を付けても、そこから見える外の景色が家や道路だけではあまり意味がない……ということです。やはり、自然が感じられたり庭が見えたりする眺めの良い場所に、窓を配置することが大切です。

また、「眺め」に関しては、外に出て景色を見るのと、窓枠という切り取られたフレーム越しに外を眺めるのとでは、感じ方が違います。観たい景色を「見たいように見る」ために、位置だけでなく、サイズや形などデザインも工夫すると良いでしょう。

 

◆眺めの良い場所なら

 

センターオープンサッシ

 

並木道や木のある公園がすぐ隣にあるなら、その環境を生かさない手はありません。
周囲の緑を上手に取り込む方法の一つは、窓の位置を高めにして、室内から斜め上方向を見たときに、木々の緑が見えるように設計することです。そうすれば、歩く人や道路などが視界に入らなくなります。

庭に面しているなど、外部の視線が届かない場所なら、大開口を設けてダイナミックな眺望を楽しむのも良いでしょう。室内に居ながら外にいるのと同じような開放感を得ることもできます。一般的にはワイドサイズの掃き出し窓(2枚のサッシが横にスライドして開く引き違い窓)の採用が考えられますが、中央部分から左右に大きく開放できるセンターオープンサッシもおススメです。サッシの中央に窓枠がなく、視界の邪魔になりません。ただ、過剰に大きなサイズにしてしまうと家の耐震性に影響する場合があるので注意が必要です。

 

◆住宅密集地なら

トップライト

 

隣の家との間隔が少なかったり、窓を開けた時、お向かいの家の人と視線が交わったりするような狭小地や住宅密集地なら、「ハイサイドライト」(高窓)はいかがでしょう。天井近く、または天井に接して設けられた窓や、天井よりも高い位置に設けられた窓は、プライバシーを保ちながら、青空や風景を室内に取り込むことができます。

屋根面または天井面に設けられた「トップライト」(天窓)は、太陽の光を効率的に採り入れることができます。ロフトや洗面室、トイレなど、閉鎖的な空間に設ければ、開放感を高める効果が期待できます。

 

◆見たいところにフォーカス

 

ピクチャーウインドウ

 

「ピクチャーウインドウ」という窓があります。これは、窓で外の風景を切り取り、絵画のように見せる窓のこと。廊下や踊り場などに設けたり、コーナー窓や丸窓などにして設置したりすることがあります。

古くから日本家屋で使われてきた「地窓」(建物の床近く、または床面に接して設けられた窓)も、いわゆる見たい箇所にフォーカスした窓です。窓の幅を調整したり丸く切り取ったりすることで、柔らかな光を採り入れることや、座った状態で庭の緑などを眺めることができます。

ピクチャーウインドウは、開けられないはめ殺しタイプがポピュラーですが、最近では開閉できるタイプの商品も出てきています。

 

窓辺を楽しむ

 

窓辺

 

窓が切り取る風景が絵画だとしたら、窓枠は風景画の額縁のようなものと言えるでしょう。各建材メーカーには、豊富なカラーバリエーションが用意されています。インテリアだけでなく、そこから見える風景との相性も考えて選ぶのも、楽しめる手段の一つです。

また、窓枠の奥行を変えてみるのも良いでしょう。一般的に窓枠の奥行は10㎝~15㎝。これを40㎝ほどに広げれば、用途が増えます。本を並べたり、フィギュアなどコレクションを飾ったり。外の人に見られることを意識して、ディスプレイに凝るのも楽しそうです。人が腰掛けることもできるでしょう。明るく居心地の良い、ちょっとした居場所になりそうです。

 

窓は外観のイメージを決める

 

外観と窓

 

窓は住まいのデザインの一部。住まいの外観に表情を与えるのも窓の役割の一つです。
窓からの眺めや間取り・内装だけに合わせて窓のサイズや種類・配置を決めてしまうと、外から家全体を見たときに、まとまりのない印象になることがあります。眺めや採光・通風を考えることも大切ですが、家の第一印象にもなる外観に気を配ることも重要です。外観全体を考え、窓の種類や位置をバランスよく組み合わせていきましょう。

基本となるのは、「外壁の広さに対して窓の大きさや数を決める」「窓のラインを揃える」ということです。狭い外壁に大きな窓や複数の窓を設置したり、窓ごとの上下左右のラインを無視して設置したりすると、ごちゃごちゃとした雑な印象になってしまいます。特に建物を正面から見たときの外観(ファサード)では、窓の配置やデザインをよく考えるようにしましょう。

 

◆外観をかっこよく仕上げる窓

 

オシャレな窓

 

●窓を横並びに配置するときは、同じサイズ・種類の窓を平行に配列すると、おしゃれな仕上がりになります。同じサイズの窓でも、種類が異なるとちぐはぐな印象を与えかねないので注意しましょう。
●二階建ての場合、異なる窓の種類でも、縦のラインを揃えることで整った外観を作ることができます。例えば1階にFIX窓(固定された窓)と開き戸の組み合わせ窓を採用し、2階は縦すべり窓(縦に細長い窓)を2枚配置。大きさや種類はバラバラであっても、縦ラインが揃っていれば、まとまりのある外観になります。
このように縦・横のラインを揃えれば、全体にまとまりが生まれます。個性的な建物にしたいなら、複数の窓を組み合わせた「連窓」もおすすめです。
●FIX窓や、縦すべり窓は、外から見ると非常にスッキリとした印象になります。形状も一般的な四角形だけに限らず、丸型や台形などもあるため、外観のデザインに合わせて選ぶことができます。

 

◆シンプルモダンを目指すなら窓は少ない方がいい?

 

窓配置のバランス

 

窓は採光・採風を主な目的としてつけるものなので、特に必要のない場所なら無理に設ける必要はありません。シンプルモダンの外観にしたいなら、窓はなるべく少なくして、シンプルなデザインの窓を選びましょう。窓が少ない分、壁の形状が際立って家の外観がおしゃれに見えることもあります。

内装に関しても同じことが言えます。窓が多いと壁の面積が少なくなるため、ごちゃごちゃとした印象を与えやすくなります。また、窓があると絵画などのインテリアを飾る場所が限られるという、デメリットもあります。必要な空間にだけ、適切な数の窓をバランスよく配置するようにしましょう。

 

最後に

 

外観の印象

 

窓は住まいの心地よさを左右します。明るさや風通しはもちろん、窓からの眺めも大事。また、外からの「見た目」も大事。暮らしの快適さをプラスする意味で、新居を建てる時や選ぶ時に、窓の配置や種類、デザインにも気を配ってみてはいかがでしょう。

 

 

 

 

タグ : 一戸建て 選び方 新築 一戸建て売却
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