マンションの防音対策について

2022.06.30マンション
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防音対策

マンションに住む際に、気になる点の一つに「騒音」があります。マンションの「騒音」には、 上の階・両隣の住戸から漏れてくる生活音や、外から入ってくる騒音などがあります。それらを和らげてくれるのが、防音対策です。

今回は、他の住戸に迷惑をかけず、快適に生活するために、我が家でできる防音対策を紹介しましょう。

 

まずは騒音の目安

防音対策

音の大きさは「db(デシベル)」という単位で表し、騒音の目安もこの単位を基準に設けられています。その音を「騒音」と感じるかどうかは、人によって多少異なるので、目安的な指標です。

環境省が定めている基準値では、昼間の住宅街では「55デシベル以下」、夜間ではそれより少し低めの「45デシベル以下」が、健全な環境とされています。これらの数値を上回った大きさの音が、一般的に「騒音」と呼ばれています。

また、幹線道路沿いや電車の線路沿いなどの地域では、昼夜ともに住宅街よりも高い騒音基準値が設定されています。騒音は、時間帯や周辺環境によって基準が上下するものなのです。

 

日常生活で気になる音って?

日常生活で聞こえる主なものの音の大きさは、具体的には次のようになっています。

騒音

ほかに、掃除機が約60~76デシベル、ステレオが約70~86デシベルなど。

こうして見ると、生活音の大部分は昼間の住宅地騒音基準値である55デシベルを上回っています。

1日を通して騒音と呼べるレベルの音量が、普段の生活をしているだけで出ている事が分かります。

人の話し声の音量についても、一般的に小声は約60デシベル、何も気にせず普通に話している声は約70デシベル程度。この数値だけを見ると、話し声も住宅地の騒音基準値を超えており「騒音」となるところですが、建物の構造や窓の開閉状態・時間帯などによって「騒音」として捉えるかどうかの判断が分かれるところです。

 

近所に音を漏らさないための防音対策

防音グッズ

近隣から漏れてくる生活音を気にする前に、まず自分から出す音漏れの対策を心掛けましょう。

1階に居住しない限り、下の階への音漏れはあると思っていいでしょう。

子どもが走り回ったり、飛び跳ねたりが気になる場合は、カーペットや厚手のクッションフロア、防音シート、ラグなど敷物の使用を。

テレビやステレオなど音が出る機器は、壁から少し離して設置。隣に住戸がない角住戸の場合は、隣の部屋が接していない方の壁に設置しましょう。

洗濯機や冷蔵庫などの大型家電の振動音には、防振ゴムや防振シートを下に敷くことで対応できます。また、使用音が比較的大きい掃除機や洗濯機は、なるべく昼間の時間帯に使うようにして、近所への配慮を心掛けましょう。

なお、洗濯機は、水平が保たれていないと、回転槽に正常でない負荷がかかり古くなると大きな音を発するようになります。これにより、洗濯機の寿命も縮まりますし、上下左右の住居にかなりのレベルの騒音で迷惑を掛けてしまうケースがありますので、ときどき水平が保たれているかチェックされることをお勧めします。

近所からの生活音が気になる時

建物構造

マンションでは最上階に住まない限り、上階からの生活音が大なり小なりあると思っていいでしょう。真上だけでなく、斜め上の住戸から漏れてくる場合もあります。

まず、騒音の種類や漏れてくる場所によって、防音パネルや防音テープなど、吸音材での軽減を試してみましょう。

隣住戸の音が壁越しに少しでも気になる場合は、壁に家具を設置すれば家具の分だけ戸境部分が厚くなり、音の軽減につながります。

足音や大声での話し声、早朝や深夜の洗濯機や掃除機使用など、どの住戸から漏れているのか特定できない場合は、管理組合や管理会社に相談して、コミュニティボードに注意喚起の張り紙をしてもらうなどの方法があります。

 

建物の構造で遮音性の高いマンションを選ぶ

建物構造

遮音性の高いマンションを選んでも、音の心配が皆無というわけではありませんが、何も施していないマンションより快適性はアップします。

建物の構造は「鉄筋コンクリート」を。鉄筋コンクリートでも、材質や間取りによっては外の音が中に入ってきやすいこともあるので、「絶対に防音力が高い」と言い切れるものではありませんが、まずは構造の項目では、鉄筋コンクリートの物件を選ぶようにしましょう。

壁構造は、コンクリート厚みが18cm以上が望ましく、20cm以上あると、尚よしです。

床は、コンクリート厚みが約20cm以上、床材がLL-45等級以下の防音フローリング貼りを。

窓サッシの遮音性能は「T-2」以上がよいですが、閑静な住宅街だと「T-1」でも問題ないこともあります。加えて、窓ガラスが防音仕様の合わせガラスであれば、より高い防音性能を発揮するでしょう。

マンションの構造は、中古マンションでは築年数の経っているマンションと築年数の浅いマンションでは、構造面での進化が異なります。また、賃貸マンションでは、鉄筋コンクリート造りであっても、遮音性能がどこまでのレベルなのか分かりません。気になる項目は、不動産会社に確認してもらう必要が生じてくるでしょう。

 

住環境にこだわれば、静かな暮らしも可能

防音対策

建物の構造そのものだけでなく、住環境も騒音の有無に大きく関わる要素の一つと言えます。線路や高速道路、幹線道路など大きな音を発する乗り物が近くを通らない、交通量が多くない静かな環境にある物件を選べば、穏やかな日常生活が送れそうです。

学校や繁華街など人が多く集まる場所が近くにないか、ファミリーなら通学の利便性も視野に入れながら、確認しておくのもポイントです。

 

最後に

マンションライフで気になる生活音のこと。他者から発せられる音が、「騒音」と感じるか感じないかには個人差があります。防音に有効な手段や方法はあるので、色々と試してみるといいでしょう。同時に、自分が騒音を出さない配慮や工夫を心掛けるといいですね。

タグ : マンション アパート 分譲マンション 賃貸マンション 中古マンション 騒音 防音対策
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