お家の換気について~マンション~

2023.04.30マンション
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換気

2020年に突然訪れたコロナ禍。そのコロナ禍で注目されたことのひとつに「換気」があります。「換気」と言えば、窓を開けて外の空気を入れること。私たちが普通に生活をするだけでも、室内の空気は汚れていくので、窓を開けて「換気」を行っています。今では、室内の空気をきれいに保つ24時間換気システムが備わるマンションが、多く見られます。今回は、常時換気を行い、快適な空気環境を作ってくれる「24時間換気システム」について、みていきましょう。

 

換気の基礎知識・換気の種類

換気の種類換気には大きく分けて「自然換気」と「機械換気」の2つの方法があります。「自然換気」は、窓を開けて、風など自然の力を利用して換気する方法。コストはかかりませんが、雨や虫、花粉の侵入など外気環境に左右されます。窓を開けることに伴う防犯面での不安もあるでしょう。「機械換気」は、換気扇(ファン)等の機械を使って換気する方法。外気環境に左右されず、昼夜を問わず換気でき、窓を開けないので防犯面も安心です。が、電気代が発生します。一般的に「機械換気」の方が、しっかり安定した換気が行えると言われています。

「機械換気」にも、いくつか種類があります。

【第1種換気】

給気口(入口)と排気口(出口)の両方に、機械を使用した換気方式です。効率的に換気状態を維持できるシステムで、居住空間から非居住空間まで幅広く採用されています。

【第2種換気】

給気口(入口)のみ、機械換気する方式です。病院の無菌室や工場内のクリーンルームなどの特殊な環境で利用されるシステムで、排気は自然に任せます。

【第3種換気】

排気口(出口)のみ、機械換気する方式です。気密性の高い建物に適したシステムで、第1種換気よりもコストが抑えられるため、特にマンションで設置される24時間換気の多くは、この換気方式です。給気は自然に任せます。

 

 

では、24時間換気が標準で付いているのはなぜ?

シックハウス

今では、当たり前のように設置されている24時間換気ですが、これが義務化された背景には、近年の住宅における“高気密化”が関連しています。

高気密化により、住まいの快適性はよくなりましたが、意識して空気を入れ替えない限り、空気が停滞し、きれいではない状態になりやすくなってしまいました。一方で、建材に使われる化学物質やダニ・ホコリなどの影響を受けやすくなり、それに伴い「シックハウス症候群」という体調不良が懸念されるように。その予防対策として、24時間換気が導入されました。24時間換気により、建材の化学物質やハウスダストの充満を防ぐので、快適で健康的な室内環境が保てるようになるのです。

 

マンションの24時間換気システム

24時間換気システム

 

24時間換気とは、「室内を一日中換気して、常に空気の入れ替えが行なわれる仕組み」のことです。建築基準法が改正されたことにより、2003年7月以降に建てられた全ての建築物には、24時間換気システムの設置が義務化されました。新鮮な空気環境を維持したい居住空間は「クリーンゾーン(常時、新鮮な空気を取り込む)」、浴室やトイレなどの汚染物質を拡散したくない空間を「ダーティーゾーン(空気の排出先)」とし、家全体の換気を行っています。居住空間の空気は、人が主に生活している居室から、湿気や臭気が発生しやすい浴室・トイレ・洗面・台所のほうへ流れるように設計されています。

24時間換気システムの仕組みは、

  • リビングや各居室などの外壁に面した壁にある給気口から外気を取り込む
  • 居室のドアの下にある隙間から廊下などを通り、室内全体の空気をきれいにする
  • 洗面所やトイレにある天井排気口から室内の空気を排出する

という仕組みです。

 

 

24時間換気システムを使用しなくてもいい?

フィルター

 

24時間換気システムは、常に稼働させている状態を維持しましょう。

電気代が気になる、冬に寒さを感じる、外部から入ってくる音が気になる、などの理由で換気を止めたいと思うことがあるかもしれません。ですが、24時間換気システムを使用しなかった場合、季節的なものであれ花粉や黄砂、その他化学物質による空気汚染を、シャットアウトすることが不可能となります。そうすると、室内に結露やカビが発生する、シックハウス症候群になる、などの弊害が起こる可能性も。そのような弊害を避けるために、換気システムは止めないようにしましょう。

使用するにあたっては、定期的なお手入れが必要です。給気口・排気口の周りやフィルターにホコリがたまると、換気性能が低くなり、電気代が余計にかかることになります。数ヶ月に一度は定期的にフィルターをチェックし、汚れを洗浄する、フィルターを取り換えるなどのお手入れを行いましょう。

 

 

最後に

自然換気

 

2003年以前に建築されたマンションでは、24時間換気システムが装備されていないマンションもあるでしょう。これらのマンションでは、意識的に換気を心掛ける必要がありそうです。在宅時であれば、少しでも窓を開けて、浴室や洗面室の換気扇を回しておくと、第3種換気となりえるでしょう。不在時や夜間には、空気清浄機を活用する方法も考えられます。いずれにしても、室内に新鮮な空気を取り込み汚れた空気を排出することは、爽快感が得られるだけでなく、健康面でも大切だということがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タグ : マンション 24時間換気
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