長い人生、持ち家と賃貸どちらが幸せ?

2024.06.15一戸建て
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賃貸 持ち家

 

地震や台風など自然災害が後を絶ちません。被災した場合、持ち家なら修繕費用は自己負担。賃貸住宅なら被災時の修繕だけでなく、経年劣化による修繕や設備の更新も家主任せでOK。でも壁に穴を開けたり汚したりすれば自己負担できっちり原状回復が必要です。一方、持ち家ならクロスを貼る、そのままで我慢する、対処は自由です。

持ち家は、住宅ローン返済中は金利を払い続け固定資産税の納付も必要。賃貸には必要ありません。ただし、住宅ローン控除や固定資産税の軽減など様々な優遇措置が継続的にあり賃貸住まいには何ら優遇はありません。また、世帯主が亡くなった場合、団体信用生命保険の適用でローンは返済できます。

はてさて…長い人生で考えた場合、持ち家と賃貸住まいのどちらが幸せなのでしょう?

 


 

賃貸住宅と家を購入した場合のコスト…実はほとんど変わらない?

 

住居費

 

ある試算を紹介しましょう。

3,500万円の物件を金利1%の35年ローンで購入した場合、月々の返済は9万8,799円。マンションの場合の管理費や修繕積立金を加味すると、毎月約12万円を住居費に充てることになります。但し、これはあくまで「低金利」というのが大事な条件ではあります。

同じような物件を賃貸で借りた場合、月々の家賃は概ね12万円程度。2年に1度、更新料も必要です。   ※一生役立つ「お金と住まい」の話(クロスメディア・パブリッシング)より

この場合、毎月の住居費はそれほど変わりません。ところが住宅ローン返済が終わる35年後には購入した方は管理費等の支払いのみになりますが、賃貸の方の支出は変わりません。一生家賃と更新料を払い続けることになります。

 


 

購入した方が設備・仕様のグレードの高い家に住める?

 

グレードの高い設備

 

住居費がそれほど変わらないなら購入した方が快適な暮らしが叶う可能性が高くなります。

なぜなら賃貸住宅は広さや間取りのバリエーションが少ないことが多く、またキッチンや浴室に廉価なものが使われていたり上下階や隣の音がよく聞こえたりするなど持ち家に比べてグレードが劣るケースが大半だからです。

賃貸住宅の多くは投資を目的に建築されています。投資した金額に対しての家賃収入を重視して建てられているわけです。つまり、投資効率を考えれば必要以上に建物の壁の厚さなどの躯体部分や設備のグレードを上げるわけにはいかない、ということです。

賃貸住宅でも「分譲賃貸マンション」なら住戸内の設備や共用施設が充実していることが多く、またハウスメーカー施工のアパートなどの中にもグレードの高いものがあります。しかしどちらも家賃は比較的高め。今は平気でも老後になって収入が少なくなると負担になるかもしれません。家賃の安いところに引っ越すこともできますが、高齢者の入居に積極的でない家主も少なくないため思うような引っ越し先を見つけることは簡単ではないかも…。また、分譲賃貸マンションは物件数自体が少なく定期借家など住める期間が短い場合があるのもネックです。

 


 

持ち家はいざという時のセーフティネットに

 

リバースモーゲージ

 

住宅ローンを完済していれば住む場所に困りません。老後は住みやすいようにリフォームすることもできます。 ”釘一本打てない”賃貸住宅ではこうはいきません。

年金だけでは生活費が足りない、少し豊かな生活をしたいという場合は、持ち家であれば自宅を担保にお金を借りる「リバーズモーゲージ」が利用できます。返済は自身が亡くなってから自宅の売却益などで賄われるので、生きているうちは住み慣れた我が家で暮らしながら安定的・定期的な収入が得られます。普及はこれからですが将来広く認知される可能性があります。

万一、金銭的に困窮した場合は、売却する、家を担保にしてお金借りる等でお金を作ることができます。  ある意味、持ち家は生きていく上での安心材料と言えるでしょう。

 


 

持ち家は資産に。立地条件によっては資産価値もアップ?

 

相続

 

30年40年、家賃を払い続けても何も残りません。一方で住宅ローンを払い終えた持ち家は資産になります。

長い期間住むうちに自宅近くに新駅ができた、大型ショッピングセンターができた、など環境が変われば需要ができ資産価値が高まる可能性があります。もちろん、その逆方向に環境が変わる可能性もあります。

但し、持ち家は子どもに譲ることができますし、売却して新しい物件の購入資金に充てたり、そのお金で老人ホームに入ったりすることもできます。資産として残っているからこそ柔軟に次のライフスタイルに活かすことができるのです。

 


 

最後に

 

幸せな人生

 

ローンの低金利が続いている場合、住居費として払う金額に大きな差がなければ持ち家の方が快適に暮らせるし老後の安心感も高いと言えそうです。とはいえ、住宅ローンを背負いたくない人や転勤の多い人にはその限りではないかもしれません。また、金利の変動状況も見極める必要はあります。

今後の収入やライフスタイルなどさまざまな視点から自分に合うのはどちらなのかを考えるのがオススメです。

 

 

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