中古住宅を買う場合、あなたはマンション向き?それとも一戸建て向き?

2024.08.19マンション , 一戸建て
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一戸建てとマンション

今回は中古住宅について考えます。家探しは、新築だけとは限りません。もし中古住宅を探すと仮定して、同じような立地・同じような広さなら、中古マンションの方が中古一戸建てより価格が低く買いやすいかもしれません。でも暮らしやすさや気ままさでいうと、一戸建ての方が優位なこともあります。ペットが自由に飼えるし、子どもが家の中を走り回ろうと、掃除機を夜中にかけようと、ご近所からの苦情はまずありません。駐車場が敷地内にあれば駐車場代はかからず、お出かけもスムーズ。とはいえ、外出時の戸締りはマンションの方が簡単だし、防犯性に関してもマンションの方が優れていることが多いようです。一戸建てにもマンションにも、双方ともにメリットとデメリットがあります。家探しを始める前に、自分がどっちに向いているかを考えてみましょう。

 


おつきあいの範囲や家の修繕計画、何でも自分で自由に決められる「一戸建て」

近所づきあい

一戸建てはマンションに比べて近所づきあいが多くて大変、という声もありますが、マンションに住んでいても管理組合等の「近所づきあい」はあります。マンションの規模が大きければ大きいほど、それだけ多くの住民と規約や修繕などについて話し合うことになります。このため、普段から良好な関係を作っておかなければなりません。

一方、一戸建ての近所づきあいはというと、せいぜい向こう三軒両隣り。通常ならばマンションの管理組合のようなシビアな話し合いの必要もなく、緩いおつきあいで済みます。ちなみに地域ごとに形成される「自治会」の加入は、一戸建てだけではなく、マンションの住民にも等しく加入が求められます(加入は一般的に任意)。

 

◆家の修繕・補修の先延ばしも自分の都合で

家の修繕

戸建てには、管理費や修繕積立金がいらないというメリットもあります。将来の修繕やリフォームに備えて自分で計画的に積立てておく必要はありますが、自分の意志で修繕の時期や範囲が決められます。懐具合が寂しければ近所に迷惑をかけず、自分が我慢できる程度のものは修繕しない、という選択もできます。

一方、マンションは自分の考え通りにはいきません。また忘れてはいけないのが、マンションの修繕積立金はあくまでマンション内での共用部分を修繕するためのものであるということです。マンションに住んでいても、専有部分の修繕費は別枠となり、自分で備えておかなければならないのです。

 

眺望や陽当り、駅近を重視するなら「マンション」

マンションの眺望

眺望や陽当りが期待できるのは、マンションです。

しかし、一戸建てでも道路付けが良かったり、庭が広かったりするなどの条件が揃えば陽当りは良くなります。とはいえ、元々そのような物件は選択肢が少なく価格も高め。マンションなら手ごろな価格で、陽当りのよい物件が比較的多数見つかります。

同様に、都心やその周辺の駅前や駅近など、いわゆる便利な場所に選択肢が多いのもマンションです。そして眺望の面では、断然マンション。新築の際は、下層階と上層階の住戸で価格差がありますが、中古になるとその差は縮小する傾向があるので、予算内で眺めのいい住まいを見つけられる可能性は高くなります。

 

◆防犯性が高い

オートロックシステム

防犯性では、マンションの方が明らかに優れています。「侵入窃盗の発生場所別認知件数」では、一戸建て37.0%に対して、共同住宅(3階以下)は9.3%、共同住宅(4階以上)は4.3%。(令和2年 警察庁「住まいる防犯110番」)。マンションは共用部、専有部のそれぞれに何らかのセキュリティシステムが導入され、管理員が常駐または巡回するのが一般的です。

 

◆共用施設が利用できる

共用施設

規模の大きなマンションならば、様々な共用施設が設けられていることも多く、接客やコミュニティ活動等に利用することができます。24時間いつでもゴミが出せるマンションもあります。共用部が管理員等によって常に清掃されているのもうれしいポイントです。

 

一戸建てとマンションの資産価値を比較

価値下落

資産価値の面から比較してみましょう。

都心のマンションでは外国人の投資などが過熱して、中古・新築ともに値上がりしています。投資目的で買ったわけでもないのに買った時より高く売れた、というケースも少なくありません。ただ30年、35年後に同じような状況であるかは分かりません。

基本的に、建物は償却資産なので目減りします。一戸建てもその建物の価値は失われます。しかし、土地自体はよほどのことが無い場合、その価値が保たれます。土地は売ることもできますし、建てかえて住み続けることもできます。

一方、中古一戸建てが、築年数の経過ごとに価値がなだらかに下がり続けるのに対して、マンションはある程度の築年数までは下落するものの、15~20年から下落のカーブは非常に緩やかになる、というデータ(東日本不動産流通機構)もあります。つまり、中古マンションの価値は中古一戸建てより下がりにくいということです。その理由を中古マンションと中古一戸建ての一般的な相違点から説明すると、

① 一戸建ては木造が主流。木造住宅は工事品質などによるばらつきが大きく、相対的に耐久性や耐震性が不安視される傾向にある。一方、マンションは鉄筋コンクリート造なので、安心感をもたれやすい。

② 一戸建てが都心より郊外、駅近というより徒歩圏内に建てられることが多いのに対し、マンションは都心部・駅近に立地していることが多い。郊外住宅地の地価はなだらかに下落し続けているが、都心部や駅近立地は地価が落ちない、または落ちにくい。

鉄筋コンクリート造の平均寿命は45~55年とされていますがあくまで平均。適切な施工と修繕で100年以上もつとも言われています。木造の一戸建てよりはるかに長寿命です。業界の評価が確立している「ブランド」のマンションなら品質管理のクオリティが高いと認識され、価値はさらに下がりにくいと言えるでしょう。

 

最後に

マンション向き 一戸建て向き

中古住宅の場合において一戸建てにもマンションにも、双方にメリットとデメリットがあります。ライフスタイルや価値観によって、ゆずれないメリットや目を瞑れるデメリットは人それぞれ。どっちに向いているかは、自分を含めた家族全員でじっくり考える必要があるようです。

 

 

タグ : マンション 中古 一戸建て 購入 メリット 不動産 住みかえ 選び方 資産価値 防犯性
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